今回は「ボディビルコンテストにおけるポージング」について、解説をします。
この記事を読むことによって
ボディビルのポーズのとり方がわかる
と、思います。
この記事を書いている僕もボディビル歴15年以上になります。
10年ほど前まではコンテストにも出場していまして、ボディビルのポーズもとりまくってきました。
もちろんドーピングなどの薬物使用は一度たりともありません。
県大会でも優勝したことがあります。
そんなわけで、ボディビルのポーズについて競技者ならではの情報提供ができますので、しばしマニアックに世界に最後までお付き合いください!
ボディビルのポーズはなぜ存在しているのか?
マッチョが頼まれてもいないのに筋肉アピールをしてくる際、みんな似たようなポーズをとることが多いですが、あれはいったい何なのでしょうか。
あのポーズこそ
「規定ポーズ(規定7ポーズ)」と呼ばれるもので、
「ボディビルのコンテストの際にとるポーズ」なのです。
しかもそれは、「地球上共通」です。
世界中同じポーズです。
「この世のボディビル大会はみな同じ規定ポーズ」なのです。
しかし
「ボディビルのコンテストがそもそも何なのかわからない」
という方がほとんどだと思いますので、まずは先にそのあたりから説明したいと思います。
「キレてる!!!」「デカいよおぉぉーーー!!!?」「13番の脚に注目!!アシッッ!!!」「肩から脚が生えてらあ、四つ足動物ううぅーーー!!!」
ポーズはボディビルコンテストにおける審査に必要!
ボディビルのコンテストは、ステージ上で行われます。
「今日一番のマッチョ」が優勝の栄冠を勝ち取るのですが、どうやってそれを審査して決めるのか。
それは、「規定ポーズ」と呼ばれるものを数人でとり、比べっこすることで優劣がつけられることになります。
司会が「ダブルバイセップス」など、ポーズ名をコールするのに合わせ、ステージ上に立った数名のマッチョが、みんな「同じポーズ」をとっていくのであります。
ポーズは基本的に7種類あるのですが、一通り順に比べっこして選手の入れ替えをし、また比較審査を繰り返して、少しずつ順位が決められていく。
こういう流れです。
ちなみにコンテストにおいては、ポーズとはあまり言わず、「ポージング」と言われます。
ポージングの良し悪しで順位がかなり変わる!
せっかく素晴らしい体をしていても「規定ポーズ」が下手くそではせっかくの長所もアピールできず、逆に短所が目立ってしまったりし、大きく順位を落とすこともあります。
逆に、ポーズをとらないと今一つに見える選手も、いざポーズを取り始めると素晴らしい体をアピールできていたり、ポージングの良し悪しで大きく順位が変わります。
いくらジムで素晴らしい体をしていても、
いくらとんでもない重量を扱っていたとしても、
いくら腕回りが太くても
当日究極のコンディションでステージに上がっても、
審査をされるのは「ポーズをとった時の肉体」であるのです。
ポージングのテクニックは順位を大きく動かす大切な要素であるため、選手はしっかりとポージングの練習をし、己の肉体を最高に見せる努力も大切なのであります。
ボディビル規定ポーズの種類と、とり方のコツ!!
それでは、ボディビルのポーズにはどんなものがあるのか解説します。
コンテスト勝敗のカギを握る「規定ポーズ」を順に紹介します。
ポーズをとるコツも合わせて紹介します。
コンテストに出ない方も、せっかくですから名前を覚えていただくとともに、飲み会でマッチョがいきなり脱ぎ出したら「サイドトライセップス!」などとポーズ名を叫んでみてください。
そのマッチョさんは水を得た魚のように喜んでポージングをとり、マッチョフリークが一人でもいることに対し、心からの親近感で応えてくれると思います(?)
ポージングは「脚から決める」のがコツ
全てのポーズに共通していますが、「ポージングは脚から決めていく」のがポイントです。
脚の位置を決め、脚のカットを出し、それをキープしたまま上半身に意識を向けます。
これがポージングをバッチリ決めるポイントです。
フロントリラックス
すいません、僕の若かりし頃の画像で失礼します。
これは「フロントリラックス」と呼ばれるポーズで、コンテスト中はずーーーっとこのポーズでステージに立って待機していることになります。
ガーッと緞帳(どんちょう)が上がりコンテストが開始すると、ステージ上に出場者全員がパンツ一丁で登場し、ステージの奥に「横並びになって待機」することになります。
実はその瞬間から審査、つまり「戦い」は始まっているのです。
幕が上がった瞬間から、選手全員はこちらのフロントリラックスポーズをとり続けています。
フロントリラックスを完璧に決め、自分の長所をアピールするのです。
審査員はステージ奥で横並びしている「フロントリラックス」が映える選手を3人ほどをステージ中央に呼び出し、「規定ポーズ」を順に比べっこ(比較審査)をさせます。
そして、比べっこが終わったら、中央に出ていた選手全員または数名かが後ろで「フロントリラックスポーズで待機している別な選手」と入れ替えを行い、また比べっこします。
審査員に「俺を比べっこ(比較審査)に呼んでくれ!」と、フロントリラックスでアピールし続ける必要があるわけでして、このポーズがダメダメだったら審査員に「シカト」されて、そのまま本日は終了、という流れになってしまいます。
後ろにいるからと、だらーんと脱力していたら審査員からの評価を落とします。
せっかくいい体をしていても、最初の「フロントリラックス」がひどいものだと、実力を見てもらえることなく敗退してしまう、というわけです。
フロントリラックスで審査員の目に留まるかどうかはとても大切な要素なので、必ず練習が必要です。
覚えておきたいフロントリラックスのポイント!
・太ももの前の筋肉に力を入れて、「カット(筋肉の線)」を出す。
・太ももと太ももの間に隙間が出ると脚が細く見えるので、お尻をキュッとしめて、脚が太く見えるようにする
・広背筋(背中のわきの下当たりの筋肉)を広げ、上半身の大きさを出す。
・腹筋からも力を抜かず、仕上がりの厳しさ(とても絞れていますよ)をアピール。
・肩の筋肉(三角筋)を張り出し、逆三角形の肉体をアピール。
・あまり上半身を反らないようにし、審査員から見て大きく見えるであろう角度に調整する。
そうなんです、ポーズをとるのって、難しく忙しいのです。
もう、力を入れる筋肉が多すぎですし、上半身を気にすると下半身の力が抜けたり、背中が広がっていなかったり、本当に難しいのです。
つまり、「リラックス」と言っても全くリラックスするどころか、立っているだけで死にます。
ステージに登場した瞬間から「スペランカーの体力ゲージ」のように、体力、筋力がどんどん奪われていき、審査員に呼ばれる頃には汗びっしょりなんて当たり前です。
しかもステージのライティングはとても強いため、単純に「暑い」ではなく「熱い」です。
「どうして立っているだけでハアハア言ってるんだ」と思われますが、ただ後ろに立っているだけではなく、全力で立っている(?)のです。
「真の戦いの前」からもう疲労困憊というわけです。
ダブルバイセップス
腕の力こぶのことを「バイセップス」と呼ぶのですが、両手なので「ダブル」バイセップスです。
そんな呼び名ですが、力こぶだけ出していればよいのではなく、これまた全身の筋肉を意識しなくてはいけません。
このポーズを始まりとして比較審査が始まりますが、司会のアナウンスに沿って各ポーズ5秒くらいずつキープし、次のポーズへうつります。
たまに司会が間をあけたりすると、「早く次にしてーーー!」と心の中で叫びたくなります。
一般教養として知っておきたいダブルバイセップスのポイント!
・フロントリラックス同様、太ももの前の筋肉に力を入れ、カットを出し続ける
・お尻をキュッとしめて、ももの間に隙間ができないようにして、脚の太さもアピール
・上腕二頭筋が盛り上がるように手首を少しひねる
・肘が下がると格好悪いので、気をつける
・背中の筋肉ができるだけ広がるように肩甲骨を意識し、逆三角形度をアップさせる
・審査員の位置に合わせ、上体をかぶせ気味にしたり、立ててみたり、調整する
力こぶという名前のポーズですが、全身ビキビキです。やはりこれだけで死にます。
無表情ですがプルプルしていますし、体力が奪われていきます。
おまけに筋肉がつることもあります。
普段の練習ではつらないのですが、大会当日だとやはり気合が入るためか、つることもあります。
つったら我慢です。
これもやはり、あっちを意識するとこっちの力が抜ける、なんてことないよう、練習が必要になります。
ラットスプレッド
背中を広げる、という意味ですが、これまた広げていればいいのではなく意識するところがてんこ盛りです。
しかも背中を広げるのって、このポーズに限らず最初のうちはとても難しいです。
肩甲骨の間を広げられないと、背中から腰までが一直線になってしまい逆三角形度がアピールできなくなってしまったり、寸胴に見えてプロポーションが悪く見えたりと、評価を落とします。
覚えてお得なラットスプレッドのポイント!
・下半身はリラックス、ダブルバイと同じ意識です。もものカット、脚の隙間に注意します。
・こぶしを握り、腰の前に押し当てて、大胸筋を収縮させることにより上体の立体感をアピールする
・広背筋(わきのすぐ下)をひろげ、逆三角形とウエストの細さでメリハリをアピール
・胸を突き上げ胸郭を広げるよう意識し、上体を大きく見せる
・肩を張り出し、これまた逆三角形をアピール
・審査員の位置を考え、上体の角度を調整
繰り返しますが、どのポーズも決めるときは「下半身を決めてから上半身を決める」のが、「あっちこっちの意識が抜けるのを防ぐコツ」です。
脚を固めてから上体を固めます。
サイドチェスト
このポーズ見たことないですか?
飲み会でマッチョが勝手にやってませんか?
「横から見た胸」という意味ですが、これも同様に全身の筋肉を意識します。
上体の厚みはもちろんのこと、下半身の厚みも上手に表現しなくてはいけません。
覚えてうれしいサイドチェストのポイント!
・審査員側の脚を軽く曲げて、体重をかけ、脚の筋肉のカット(筋肉の線)を出す
・審査員側の脚のつま先にも重心をかけ、カーフ(ふくらはぎ)のカットを出す
・お尻をキュッとしめて、大殿筋のカットを出す
・審査員側の腕を曲げて反対の手でつかみ、思い切り胸を張って厚みを出す
・脇をしめて大胸筋を盛り上げ、カットを出す
・審査員側の脇をしめながらも肘をサイドレイズのように力を入れる。実際は動かないよう反対の手で抑えこむこと。これで肩のカットが出る。
・審査員側の上腕二頭筋(力こぶ)を盛り上げるため、手首を捻って力を入れる
多すぎ。
あれこれ考えず無意識にできるようになるとよいです。
これは広げるポーズではなく絞るポーズで、簡単といえば簡単です。まだ覚えやすいポーズだと思います。
僕はこのポーズだけは得意で、練習しなくてもすぐできるようになりました。
ケツをしめて大殿筋のカットを出すのを忘れがちになるので、お気をつけて!
バックリラックス
これは規定ポーズではないのですが、ラインナップという比較審査の前の段階でとるポーズになります。
肩甲骨を開きつつも背中の立体感を出さなくてはいけないので、難しいです。
ラインナップとは
比較審査の前、審査員がとりあえず選手の全体像を把握するためにやるプチ審査の様なものです。
とはいえ、とっっても大事です!
フロントリラックスでステージにズラーッと登場⇒「ターンライト(右向け右)」右を向いてリラックスポーズのように立つ⇒「ターンライト」後ろ向きで、バックリラックスで立つ⇒「ターンライト」横⇒「ターンライト」フロントリラックスに戻る。
この後、ズラーッと並んだままで規定ポーズをとったあとステージ後方に全員下がり、3名ずつ呼ばれる比較審査に向かうべく、フロントリラックスでひそかにアピールしつつ、呼ばれるのを待つわけです。
背中で語れ!バックリラックスのポイント
・脚幅は握りこぶし大ほどに開いて立つ
・わずかに膝を曲げ、ハムストリングス(太ももの裏の筋肉)に力を入れ、カットを出す
・大殿筋(お尻の筋肉)をキュッとしめて、大殿筋のカットを出し、大腿の隙間を埋める
・ややつま先に重心を移し、カーフのカットを出す
・肩甲骨を広げ、逆三角形のプロポーションを表現
・肩を後方に返しながら胸を張りつつ肩甲骨を下げ、上背の筋肉の立体感を出す
・上腕に力を入れ、上腕三頭筋(二の腕)のカットを出す
背中のコントロールは難易度が高いです。
ポージングはもちろん、トレーニングでも背中を意識して行うことはなかなかできるものではありません。
練習あるのみです!
特に背中は自分から見えないので、広げているつもりが広がっていなかったりするものです。むしろ閉じてしまっていることさえあります。
大会当日にこれをやってしまうともったいない!
バックダブルバイセップス
ダブルバイセップスの背中バージョンです。
意識する筋肉はもちろん審査員側になるので、先ほどのダブルバイセップスとはとり方が全く変わってきます。
下半身のキレはもちろん、背中のぼこぼこを表現するのが見所です。
仕上がり(減量をして皮下脂肪を極限まで落とす)が良いほどにこのポーズは迫力を増します。
このポーズで順位が大きく変わる事さえあったりします。
選手間でも優劣が大きく、実力差が表れるポーズです。
マッスルマニアからすれば「背中で差が出る」と言われるほどに、仕上がり、筋肉量など、大切な要素を含んでいます。
一般客目線では普段背中の筋肉なんか見たことがないためか、観客から一番のどよめきと歓声が上がるのはこのポーズです!
度肝を抜け!バックダブルバイセップスのポイント
・ケツをしめ、ハムに力を入れ、下半身のカットを出し大腿の隙間を埋める
・後ろに出した側の脚をつま先立ちのようにしカーフに力を入れ、カットを出す
・ダブルバイセップスのように力こぶを出す
・肩甲骨を閉じないよう気をつけながら胸を張って背中をわずかに反らし、背中の筋肉すべてを収縮させカットを出す
・肩を後ろに引くようにし、三角筋後部にもカットを出す
個人的に一番体力を持っていかれるのがこのポーズだと思います。
このポーズをとっている間、選手の顔は審査員と反対向きのせいか、ほぼ例外なくみんなうめき声を漏らしつつ苦悶の表情を浮かべています。
バックラットスプレッド
背中を広げるこのポーズですが、広がりだけではいけません。
これまた正面のラットスプレッドと違い、ポーズのとり方が変わります。
厚みや下半身のキレも表現し、上下のバランスを気をつける必要があります。
また、肩甲骨を広げるのが最大のポイントですが、これがまた本番では難しく、なぜか無意識に閉じている場合もあったりします。
実は近年、このポーズのとり方が全国共通で変更となりました。
バックダブルバイのように片足を引くのが従来のとり方でしたが、バックリラックスのように両足をそろえるようになりました。
亀の甲羅背負ってんのかい!?バックラットスプレッドのポイント
・バックリラックス同様にケツをしめ、ハムに力を入れて下半身のカットを出す。
・腰に手を当てて肩甲骨を広げ、腰を突き出すようにして下背部の厚みとウエストの細さを表現する。これにより逆三角形が映える。
・無意識に肩甲骨を閉じてしまう場合がある。必要以上に力まず、肩をすくめないよう落とす感じで。
サイドトライセップス
さあ、あと3つですよ!ここで気を抜いたら、審査員の評価を大きく落としてしまいます。
最後まで頑張って!!
トライセップスとは上腕三頭筋(二の腕の筋肉)のことですが、もちろん意識するのは二の腕だけではありません。
肩の位置から足先まできっちり筋肉の収縮を意識します。
全身のキレをアピール!サイドトライセップスのポイント
・腕を後ろに組む。審査員側の手首をつかむ。
・審査員側の脚を一歩前に出し、斜めに構える。
・審査員側の脚に重心をかけ、ケツをしめ、大腿部のカットも出す
・後ろの脚も忘れずに!つま先に力を入れてカーフを盛り上げる。
・脇をしめ、大胸筋のカットを出す。
・二の腕を体幹に押し当てて、太く見せる
・審査員側の腕は伸ばし切らず、腕全体に力を入れて上腕三頭筋の筋肉を盛り上げる。
・審査員側の腕を開くように力を入れ、肩にカットを出す
・ふーっと息を軽く吐き、腹筋に力を入れ、カットを出す。
・審査員側の骨盤を少し上げるようにして外腹斜筋(おなかのあばら骨あたりの筋肉)に力を入れ、カットを出す
とにかく多すぎです。
トライセップスなのに、脚から腕からお腹から、全部です。
後ろのカーフと外腹斜筋をお忘れなく。
このあたりになってくると、もう疲労困憊です。
アブドミナル&サイ
アブドミナルは腹筋のことで、サイは大腿四頭筋のことです。
腹筋と脚というポーズ名ですが、やっぱりこれも全身を意識します。
ちなみにコンテストに向けて減量をしていない時期、誰もがこのポーズをとるのを嫌がります。
このポーズは主に全身のカットがアピールされるため、絞れていない時期にこれをやってもパッとしません。
仕上がりをアピール!アブドミナル&サイのポイント
・片足を前に出し、膝を伸ばし切らずに脚の筋肉を収縮させ、カットを出します。
・後ろの脚も同様です。
・ふーっと息を吐いて腹筋に力を入れてカットを出すとともに、骨盤を後傾させるようにして大腿部付け根のカットもしっかり意識して出します。
・脚を伸ばしてカットを出すだけではなく、脚の根っこからもカットを出すように意識しなくてはいけないのです。
・頭の後ろに手を組んでキープしますが、肩甲骨は広げるようにして、アウトライン(体の外側のライン)の広がりが失われないようにします。
・手首を捻って上腕二頭筋が収縮するようにします
・つま先にも重心をかけ、前後のカーフが常に収縮するように!
これで以上です。お疲れさまでした。
これで規定7ポーズ終了です。
選手はもう、死んでいる。
しかし、司会の気分次第でおまけのポーズが入る場合があります。
次で真のラストです。
モストマスキュラー
規定ポーズはアブドミナル&サイで最後ですが、場合によっては司会の裁量で追加されます。
予選審査ではこのポーズをとることはまずありませんが、決勝審査では客と選手のボルデージを上げるため最後にとることが多く、いよいよ佳境であることを感じさせてくれます。
全身の筋肉を力いっぱい収縮させ、力強さとマッチョ度、そして全身にわたるカットを究極までアピールします。
このポーズに関してはとり方に細かい決まりはありませんが、両手を体の前に持ってきてギューッとやることが多いです。
迫力で押し切れ!モストマスキュラーのポイント
・大腿部の力を入れることをお忘れなく
・腕をどうやって組むか、どの位置でクロスすると映えるのかは、個人の体型によって変わってくるので、事前に決めておくといいでしょう。
・僧帽筋も盛り上げることをお忘れなく。
これも飲み会でよく見かけるポーズですね。
あまり細かいポイントはありませんが、とにかく全身すべての筋肉に力を入れ、筋肉を盛り上げます。
脚の力が抜けがちになる場合があるので、そこはお気をつけください。
以上です。お疲れさまでした!
とにかく、各ポーズ意識するところが多すぎて、全力で行うと全身疲れるのもうなづけると思います。
「ああ、やっと一通り終わった・・・」と思ってステージ後方にいったん戻れるかなと思っていると、
「〇番はそのまま残ってください」と言われることも結構あります。
その場合はまたダブルバイからとることになり、休む間もなく他の選手との比較にのぞむことになります(後方に戻れてもリラックスポーズしていなくてはいけないので結局休めないのですが)。
3回くらい残されると、ほんとやばいです。
しかしここでヘロヘロとポーズをしてしまうと、「ダメだな、カット出てないし」と、バッサリ評価を落とすので、最後まであきらめずに頑張りましょう。
ボディビルのポーズには筋トレへのメリットが多い!
頭の先から足の先まで筋肉に力を入れ、キープしなくてはいけない大変さはお分かりいただけたと思います。
つまりは、収縮させたい筋肉を意識する必要があるわけで、普段意識していない背中などは、とても難しいものがあります。
しかしそれがウエイトトレーニングそのものの質を上げることにつながったり、ポージングを覚えることによるメリットは大きいものがあります。
マッスルコントロールを覚える!
ウエイトトレーニングをするときは、対象の筋肉に効いているか、を意識する必要があります。
筋肉が収縮し、伸展する。
その間しっかりとウエイトの負荷が筋肉に乗っているかどうか。
それによって筋肉に対する負荷の具合が変わってくるため、効率的な筋肥大が可能になってきます。
ポージングをすることで目的の筋肉を筋肉を意識的に収縮させられるようになるため、トレーニングの際「これは効いているな」と感じることができたり、無意識にフォームや軌道の修正ができ、質のよいトレーニングが可能になってきます。
これはウエイトトレーニングで体を変えていく際、とても大切な要素になります。
つまり、トレーニングが上手になってくるともいえます。
ちなみに、ポージングがうまい人は、ほぼ例外なくトレーニングが上手です。
ポージングを極めることで、目的の筋肉を意識できるようになるのです。
アイソメトリクストレーニングとしての効果!筋トレの仕上げに
両手を合わせてギューッと閉じると、大胸筋に力が入ります。
これをキープすることでも筋トレになりますが、これをアイソメトリクストレーニングといいます。
絶大な効果があるわけではありませんが、例えば普段意識しづらい背中の筋肉の力の入れ方を覚えたり、筋肉を追い込むのにも使えます。
コンテストシーズンになるとトレーニング後にポージングの練習をし、それ自体が強い負荷にもなります。
力いっぱいポージングをするとかなりの負荷を筋肉に与えることができ、選手間では「仕上がりが進む」なんて言われることは珍しくありません。
それだけポージングというものは筋肉に力を入れる必要がありますし、体力も見た目以上に消耗します。
ボディビルのポーズについて、まとめ
知られざるボディビルのポーズの世界、いかがでしたでしょうか。
ポーズをとる時は、「脚から決めて、上半身!」です。
ポーズを完成させたあと無意識に下半身を脱力し、脚のカットをおろそかにしてはいけません。
ポージングは「コンテストでの勝敗を決める大切な要素」です。
もちろん、ポージングが完璧でも、肉体が仕上がっていなければそれもまたダメです。
そして、飲み会で突然マッチョがとっていたあのポーズ、見たことあるものありましたか?
そうです、規定ポーズが元ネタなのです。
次に機会があれば、今回のチェックポイントを思い出し「肩甲骨!!開いて開いて!!」「肘が下がっているよ!!」と、教えてあげてください。
もちろん、完ぺきにとっていたら「デカい!!!ナイスポーズ!!」をお忘れなく。
ボディビルダーに対する「掛け声」についての記事は次をご参照ください。
また、コンテストに出場するためには当日向けて減量をし、脂肪を極限までそぎ落とす必要があるのですが、脂肪が少しでも残っているとどのポーズをとってもカットが弱く、大きく評価を落とします。
ジムでデカくても、ステージ上では違います。
絞れている人が隣にいるだけで見栄えの悪さが目立ったり、逆に小さく見えたりします。
しっかりと体を絞ってステージに立つことは選手として最低限やらなければいけない課題なのですが、これがまた一番難しいと言っても過言ではありません。
そうです、僕も減量苦手です。
辛くはないのですが、最後が落ちないんですよ…。
ちゃんと仕上がったのは、競技人生でたった一回だけです。
しかもジムの先輩に「あれ食べろこれやれ」と全部教えて頂いてようやくですよ。
しかし、これから必ず復活する予定でいるので、僕に残された大きな課題であります。
ボディビルなどのコンテストに出場するためには、マッチョになるだけでは評価されません。
減量はもちろんのこと、他にもいくつかやることがあります。
審査基準の話を踏まえつつ、詳しい解説をしていますので、これからコンテストに出て見たいなあという方は、ぜひお役立てください。
ボディビルのコンテストは今回紹介した「規定ポーズ」だけではありません。
フリーポーズという、いわゆる想像にたやすい「音楽に合わせてマッチョする」ものもあります。
しかしそれは、予選を勝ち抜いた決勝進出者しかやることができません。
予選敗退した場合、あらかじめ提出していた音楽データーはフリーポーズに使われることなく、日の目を浴びず午前のうちに返却されることになります。
予選審査で全然活躍できなかった場合は、ステージ後ろにリラックスポーズでプルプルしながら立ったまま終わりになります。
一度も呼び出しされることなく「はい終わりです、また来年どうぞ」となる、厳しい世界です。
僕も何回こうなったか数え切れません。
後ろで立っていただけで終わりなんですよ。
そんな僕が長々と語ってすいません、長らくお付き合いいただきありがとうございました!