ボディビルのコンテストと言えば、客席から響き渡るその独特な「掛け声」。
その独特な応援によってか、異様な空間に包まれるコンテスト会場。
ところで、その奇妙な発言ばかり注目されがちですが、掛け声は「ネタ合戦」ではなく、れっきとした「応援」です。
掛け声というものは、どういう意図で生まれたものなのか。
今回はそんな「面白いだけではない!ボディビルコンテスト掛け声の理由」について紹介したいと思います。
結論から申しますと、お客さんがボディビル大会の掛け声を発することによって
こんな効果があります。
僕もかつてボディビル大会に出場しておりまして、県の大会で優勝することができました。
その時も、やはり変なセリフが大声で飛び交っていましたよ!
しかし、変なセリフばかりが目立ってしまうようですが、実際はそんなことはなく、僕もコンテスト中に勇気づけられたものです。
ボディビル大会は変な怒号が入り乱れる「ネタ合戦」ではないですよ!
ボディビルと言えば
「パンツ一枚のマッチョが白い歯を出しながらポーズをとる」
「客席の応援が意味不明な比喩表現合戦」
と言ったイメージが強いのかもしれません。
今でこそフィットネスブームとなり、そこまで色眼鏡で見られてしまうことは減った感じはします。
テレビでは相変わらずお笑い枠のような扱いをされることも多いですが、YouTubeではいたって真面目な筋トレ動画のほうが多く、実際に「かっこいい」と感化されてトレーニングに目覚めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ボディビル大会の掛け声はれっきとした応援である理由!
「キレてる!!」
「デカいよおぉぉーー?」
「肩から脚が生えてらぁああーー?四つ足動物うぅぅーーー!!?」
なんて、変な比喩表現ばかり目立ってしまうボディビル大会の応援ですが、実際はそこまでではありません。
別にネタで盛り上げようとしているのではなく、れっきとした応援です。
選手のポーズの手助けをする
ボディビルは、ステージ上でポーズをとって、それを比べっこすることで順位が決まります。
ポーズをとると言っても実際はとても難しく、体力の消耗が半端ありません。
上半身を意識すれば下半身の意識が抜けて、ポーズが不完全になってしまったりと、あっちもこっちも力を入れたり角度を意識したり、一つポーズをとるだけでも選手はとても忙しいのです。
そんな時、
「15番!!脚、抜けてるよ脚!!」
「235番!肘下がっているよ!もっと上げて!!」
など、客観的にポーズを見た客が応援している選手のポーズを修正してくれるのです。
それによって選手は脚に力が抜けていたことに気が付いたりし、より完璧なポーズを決めることができるのです。
より完璧なポーズをとることで自身の長所をしっかりとアピールでき、審査員の評価だって変わってくるのは言うまでもありません。
ちなみに、ボディビルのポーズがどのくらい辛いのかは次の記事にまとめてありますので、参考程度にご参照ください。
「19番の上腕二頭筋…!!!なんとも立派なチョモランマじゃのう…!!!」
選手の長所を審査員に見てほしい
「19番の脚に注目!!!!」
「肩にメロンが二つ乗ってらああ!!!」
など、客席から声が上がると、審査員はもちろん、他のお客さんだってついそこを見てしまうことだってあるでしょう。
その選手の長所を歓声としてアピールすることで、その存在に気が付くこともあると思います。
何しろ、大会によっては選手の数は多く、限られた時間で一気に細かいところまで見れるかどうかは難しいと思います。
審査員だって人間です。
なかなか完璧にはいかない可能性だってあります。
そこで、限られた時間の中で応援している選手の長所を叫ぶことで、その選手にとって審査が有利に働くようサポートする、ということです。
面白い比喩表現はより一層の注目のため
ただ単に
「5番に注目! 」
と言ってしまうより、
「5番の腹筋千切りパン!!!」
と言ったほうが、他のお客さんや審査員の注目を浴びやすくなると思いませんか?
また、単純に表現が面白いとそれだけで会場も盛り上がり、選手、観客、一丸となった会場づくりができるのかもしれません。
更に、初めて観戦に来たお客さんは、「これがボディビル名物応援合戦か!」と感激して、よりコンテストを楽しめるかもしれません。
「365番の腹筋、板チョコレート!!」
ボディビルの掛け声の理由、まとめ
ボディビルの応援は独特です。
しかしそれは、
選手が完璧にポーズをとれるようサポートすること
審査員にその選手の長所をアピールすること
応援している選手をより引き立て、会場を盛り上げること
これらが目的になります。
その表現が独特なものであるほどに、その選手は注目を浴び、審査を有利に進められる可能性だってあるはずです。
今後ボディビルのコンテストを観戦される方は、是非ともひいきの選手の長所をほめてあげてください!
選手も会場も筋肉も大盛り上がりだと思います。
番外編、応援が辛いこともあり
これは、はっきり言って選手自身の責任です。
一生懸命応援してくれているのですが、ステージに立っている自分が不甲斐ないあまり
「応援を浴びるのが辛い」
「応援してくれているのに大変申し訳ない」
そんな事態に陥る事もあります。
デカくないのに「デカい!!」
仕上がりも悪く、サイズだって負けている時に、元気づけようとしてくれるのはありがたいのです。
しかしでかくないのにデカいと言われると、「そっとしておいてくれ‥」と思わずにはいられません。
まあ、自分のトレーニングと食事の積み重ねの結果なんですけどね。
仕上がりが悪いけど「ナイスポーズ!」
自分自身仕上がりが悪く、完全にダメダメなときにこの声援が来ると、「特にアピールするポイントはないんだな」と再確認できます。
コンテスト当日のコンディションの良し悪しは自分自身がよくわかっているので、そんな自分にも声援をくれる方に対しとにかく申し訳ないという気持ちでいっぱいなのです。
はいすいません、昔の僕でした。あ、今もか。
客席から声援を送るのではなく、選手としてステージに上がってみたい。
そんな目標が少しでもある方は、「こんな感じで準備を進めるといいですよ」という記事がありますので、ぜひご参照ください。