プロテインといえば「ミルクプロテイン」が一般的です。
植物性のプロテインならば、大豆が原料である「ソイプロテイン」が一般的でした。
しかし最近はソイプロテインが影を潜め、代わりに「えんどう豆」のプロテインが注目されてきました。
えんどう豆のプロテインは「ピープロテイン」と呼ばれまして、特にダイエットを気にする女性に人気があるようですが、マッチョになりたいボディビル志向の方にも断然おすすめできるプロテインです。
本記事は
吸収の早いホエイプロテインのほか、消化がゆっくりなプロテインも併用したい
ソイプロテインから乗り換えたい
ダイエットに有効なプロテインが欲しい
アルギニンを多くとって体づくりに役立てたい
どうしても体質に合わないので、万人に合ったプロテインが欲しい
今まで通りマッチョを目指したい
こんな方におすすめの内容になっています。
ボディビル歴15年以上の僕も、ピープロテインを愛用しています。
トレーニング後にはホエイプロテイン、食間や寝る前にはピープロテインと使い分けています。
僕のおすすめはコスパも味もよく、男子も女子もマッチョもみんな体づくりに役立てると思います。
プロテインの効果は?何のために飲むの?
えんどう豆プロテインに限らず、プロテインパウダーは「たんぱく質の粉」です。
最近は言われることもなくなりましたが、「プロテインは筋肉増強剤」でも「飲めばムキムキ魔法の粉」でもありません。
牛乳から抽出したのが「ミルクプロテイン」で、一般的に広く流通しているものが、これです。
あとは
大豆からたんぱく質を抽出すれば「ソイプロテイン」
えんどう豆からたんぱく質を抽出すれば「ピープロテイン」
卵なら「エッグプロテイン」
玄米なら「ライスプロテイン」
こんな具合です。
どのプロテインも、使用目的は「一日に必要なたんぱく質の不足分を補う」のがその役割で、「食事だけではとり切れないたんぱく質」をプロテインで補うのに飲むわけです。
筋肉づくりには「人より多くのたんぱく質」が必要です。食事だけではとり切れない分、プロテインを飲んでたんぱく質の量を確保するというわけです。
よって「プロテインの効果」という表現はちょっと適切ではないかもしれません。
ピープロテインがソイより人気が出てきた理由とは?
植物性のプロテインは大豆(ソイ)が一般的ですが、最近はピー(えんどう豆)が人気です。
ソイも決して悪くはないのですが、プロテインとして毎日せっせととった場合はデメリットが多いため、そのデメリットが無いピープロテインに移行していったものと考えられます。
プロテインは基本的に「一日に何度も飲む」ものです。
そしてそれを「毎日食事をとるのと同様」毎日続けます。
「ソイは飲み続けるほどにデメリットもあるだろう。だったら同じタイプでデメリットのないほうがいいだろう」、ピーに移行していったのはそういうことだと思います。
まずはソイプロテインのメリットデメリットの解説から入ります。
大豆(ソイ)プロテインのメリット、デメリット
ソイプロテインのメリットは
消化吸収がゆっくり(6から8時間)なので腹持ちが良くダイエット向き
消化がゆっくりなので血中アミノ酸濃度を下げづらく、筋分解(カタボリック)対策になる
乳糖がゼロなのでお腹が弱い人も安心
イソフラボン、サポニンが多く、エストロゲン効果(美肌、女性らしさ、骨粗しょう症対策)が期待できる
イソフラボンにより中年以降は前立腺がんの予防になるかも
安い
ソイプテロインのデメリットは
イソフラボンによりテストステロンが減少する(適量なら増やす効果がある)
イソフラボン過剰摂取の害(女性ホルモンの乱れ)が報告され始めている
大豆はアレルゲンになるので常用できないかも
おいしくない
つまり大豆(ソイ)プロテインで気になるポイントは「抗酸化物質の一つであるイソフラボン」が多く含まれている点です。
体に良い成分ではあるのですが、過剰摂取の害も注目されています。
そして、ソイプロテインを常用しているとイソフラボンの過剰摂取につながりやすいと考えられています。
ソイプロテインとピープロテインはどちらも植物性プロテインで似ていますが、ソイプロテインのデメリットをなくしたものがピープロテイン、といった具合です。
ソイプロテインが悪い、というわけではないのですが、一日何回も毎日せっせと飲むのにはあまり向いていない、ということでしょう。
体の小さい人や女性なら一日に大量のプロテインを飲む必要もないため、ソイプロテイン一本しか利用していなくても過剰摂取の害はないと考えてよいと思います。
特に女性でしたらエストロゲン効果もあるため、一日一杯程度で済むならばメリットも多いと思います。
要は「良くも悪くもイソフラボン」です。
ソイプロテインで過剰摂取?イソフラボンの一日摂取目安量
イソフラボンの一日摂取目安量は約60mgです。
あくまで「一日の平均値」であって、それを超えた途端体によくない、というわけではありません。
イソフラボンの過剰摂取はいくらから、という指標もないですし、毎日納豆や豆腐をたくさん食べ続けるわけでもないですし、日本人の大豆製品消費量は昔より減っています。
よって、普段の食事に関して過度な心配は不要です。
イソフラボン60mgという量は、「納豆1パック」「豆腐半丁」「味噌大さじ8杯」に相当します。
ザバスのソイプロテインは、一回分(20g)あたり約66mgのイソフラボンが含有されています。
ソイプロテインを飲んだ場合、20gという大したことのない量でイソフラボンの量としての一日分は終了です。
しかし実際プロテインは一日に何回も、そして毎日飲むものなので、それを全部ソイでやっていたらイソフラボンの過剰摂取(女性ホルモン用物質の大量摂取の害)の可能性は高くなるかもしれません。
特に男性に対して、イソフラボン過剰摂取によるテストステロンの低下を起こすのはほぼ間違いないと言われているため、筋肉を発達させたい人にとっては逆効果にもなり得ます。
筋肉の発達具合は、男性ホルモンであるテストステロンが高いほうがはるかに有利です。
これらのことを踏まえると、わざわざソイプロテインをとる理由はなく、植物性をとるならばイソフラボンが含有されておらず、アレルゲンにもならないピープロテインのほうがいいのではないか、ということです。
大豆は発酵させて食べるべき物?
さらに言えば、大豆にはフィチン酸塩、酵素阻害物質、ゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質)が含有されており、これらは生体毒になるかもしれない、と言われています。
これらは発酵させることによって無くなるので、それを知ってか知らずかはわかりませんが、「発酵食品を考えた先人の知恵は素晴らしい」と言えるかもしれません。
大豆製品は健康長寿に良いと言われており、実際に納豆や味噌をよく食べる人の死亡率は低かったのに対し、豆腐や豆乳といった発酵していない大豆製品に関しては関係性はなかった、というデーターもあるようです。
ソイプロテインも発酵しておらず、常用するにはデメリットの方が多いのかもしれません。
一日一杯くらいならメリットもあるでしょうが、やはりプロテインとして利用するならばわざわざソイを選択する理由はなく、大豆製品をとるならば発酵食品である納豆や味噌にして、植物性のたんぱく質、プロテインとして摂取するならピー(えんどう豆)のほうがよいでしょう。
ピー(えんどう豆)プロテインの特徴と効果
大豆と同じく高たんぱくな植物、えんどう豆。
えんどう豆のたんぱく質成分を抽出して作られたのが「ピープロテイン」です。
ソイ(大豆)プロテインとほとんど変わりませんが、メリット、デメリットを紹介します。
ピー(えんどう豆)プロテインのメリット、デメリット
ピープロテインのメリットは
消化吸収に時間がかかる(4時間)ため腹持ちが良くダイエット向き
消化がゆっくりなので血中アミノ酸濃度を下げづらく、筋分解(カタボリック)対策になる
安い
ソイより飲みやすい
乳糖がゼロなのでお腹が弱い人も安心
アレルゲンにならない
イソフラボンの心配もない
ホエイの10倍アルギニンが多く、筋発達やアンチエイジングに有効
ピープロテインのデメリットは
味に「くせ」がある
メチオニンが少なく、アミノ酸のバランスはホエイに劣る
つまり、ソイプロテインの上位互換と言っても過言ではないと思います。
それでいてコストは同じで、安いです。
ピープロテインはここがすごい!おすすめの理由とは
ソイと違い、毎日せっせと常用しても問題がないとされているのがピープロテイン。
腹持ちの良さから食間や就寝前のたんぱく質補給に便利です。
腹持ちが良いのでダイエットにも便利でしょう。
消化吸収がゆっくりなので、あっという間に血中アミノ酸濃度を下げてしまうホエイと違い、血中アミノ酸濃度をキープできるために筋肉の分解(カタボリック)を防ぐ効果も期待できます。
ピーは吸収がゆっくりなので、急激に血中アミノ酸濃度を上げるシーンであるトレーニング前後には不向きですが、そのタイミングではホエイプロテインを利用するといいでしょう。
シーンによってプロテインを使い分けるというのは、こういうことです。
さらに、「ホエイプロテインだとお腹が張る。ホエイアイソレートにすると下痢をしてしまう。」こんな胃腸の方にもピーは安心です。
ピープロテインはアレルゲンにもならないですし、体質的に合わないという方もほとんどいないようです。
問題があるとすれば「味に癖がある」という点だけです。
ピーはソイと同様「メチオニン」というアミノ酸がが少なく、アミノ酸のバランスはちょっと劣ります。
米やパンにはメチオニンが多く含まれているため、おにぎりなどと一緒にとるのをおすすめします。
これでアミノ酸のバランスが大幅に改善され、ホエイ同等の優秀なたんぱく源になることでしょう。
アルギニンがホエイよりも10倍多く含有されている点も見逃せません。
成長ホルモンの分泌を促し、筋肉の発達にも大活躍「スーパーエース」のアルギニン。
アルギニンは「非必須アミノ酸」なので体内で合成はされるのですが、スポーツマンは消費が激しく不足しやすいアミノ酸です。
ピープロテインを飲むことでたんぱく質を十分に補うことができ、アルギニンもしっかりとれる。
おすすめのピー(えんどう豆)プロテインランキング!
好みもありますが、ピープロテインは「味にくせがある」のが難点です。
美味しいとは言えないのかもしれませんが、サプリメントの進化はとどまることを知りません。
人工甘味料を使わずとも、コスパ、味、どちらも兼ねそろえた便利なピープロテインがあります。
個人的には「水で溶いても十分美味しい」です。
第1位 California Gold Nutrition, 植物由来プロテイン(Plant Based Protein)
ピープロテインはこれ一択です。
安い、うまい、おまけ成分にスーパーフード(フラックスシード、チアシード)まで入っている。
ついでに発芽黒米、野菜ブレンドや消化酵素も入っています。
さらに、人工甘味料、添加物は不使用で、毎日常用するのにも安心です。
充実の成分なのに、価格は僕おすすめの「ニチガのホエイアイソレート」とあまり変わらぬ値段です。
何らかのセールをしている時は、ニチガのホエイとほぼ同等の値段になります。
これ以外のピープロテインはどれもこれより高額で、1.5から2倍以上するものばかりです。
このピープロテインは、価格も安く、一番のおすすめです。
欠点をあげるとすれば、袋のチャックが最初は閉まりにくく、気がついたら半開きになっていることがあるくらいです。
また、ピープロテインはどれにも言えますが、一定以上の水がないとドロドロになってしまうため、ビルダー飲み(直接粉を口に入れて、水を含んで溶かして飲む)には向いていません。
スプーンの半分ずつに分けてならビルダー飲みも問題ありませんが、静電気で粉が飛び散って襟元が粉まみれになります。
シェイカーを使えばサッと溶け、だまにもならず、シェイカーにくっつくこともなく、泡も立ちません。
若干の粉っぽさを感じるかもしれませんが、サラサラです。
チョコのほか、シナモンとバニラもあるのですが、いつも売り切れで僕はチョコ以外飲んだことがありません。
ノンフレーバーはありません。
毎日継続的にピープロテインを美味しく飲みたい方は、これがおすすめです。
第2位 Now Foods, ピープロテイン
完全混じりっけなし、原材料はえんどう豆だけという、純粋無垢なピープロテインです。
2021年3か月現在、iHerbでのピープロテイン、植物性プロテイン、両部門売れ筋1位を達成しております。
飲む口、溶け具合はカリフォルニアゴールドのものと一緒です。
コストもカリフォルニアゴールドと並んでトップクラスの安さを誇りますが、こちらの方が若干安いです。
カリフォルニアゴールドとの違いは、おまけ成分が入っていないので純粋にたんぱく質含有量が高くなっている点です。
もちろん、無添加です。
僕が飲んだのはノンフレーバーで約5年前でした。
味は「メープルシロップのようなほんのり甘さの中に感じる若干の豆っぽさ」といった感じです。
苦手な方もいると思ますが、個人的にはノンフレーバーでも問題ないとは感じます。
チョコ味もありますが、「太田胃散」のような後味がありまして、あまりチョコっぽさはありません。
甘さもかなり控えめで、申し訳程度のチョコ味ですね。
やはり、おすすめできるのはカリフォルニアゴールドのピープロテインの方ですね。
正直、カリフォルニアゴールドのピープロテインが優秀すぎて、そっちだけをすすめてよいくらいです。
値段だけならマイプロテインのピープロテインのほうが、セール次第ではさらに安いです。
しかし、「味にくせがある」「溶けにくくシェイカーにくっつく」「においがきつい」「泡がヤバい」「しょっぱい」といったネガティブなレビューが目立ち、ナウのものとちょっと飲み口が違うと思われます。
僕はマイプロテインの方を飲んだことはありませんが、ナウのピーは少なくともしょっぱくはないですし、くっついたりもしません。
ピー(えんどう豆)プロテインの優れた効果、まとめ
ピープロテインは消化吸収が4時間とゆっくりのため、血中アミノ酸濃度の低下による筋肉の分解を抑制し、ソイ(大豆)に見られるイソフラボン等のデメリットもなく、毎日せっせと飲み続けることが可能です。
主に食間、寝る前におすすめです。
ミルクプロテインの一つである「カゼインプロテイン」も消化が8時間とゆっくりですが、健康問題も指摘されているため、ゆっくりタイプはピープロテインがおすすめです。
また、えんどう豆はアレルゲンにもならないため、どのプロテインもどうしても体質に合わない、という方にもおすすめです。
ホエイプロテインに比べてアルギニンが10倍も含有されているのも大きなメリットで、男女問わず筋肉づくりのサポート、アンチエイジングにも期待ができます。
ピープロテインはメチオニンが少ないので、単体で飲むよりはおにぎりやパン(おにぎりのほうがメチオニンが多い)などの炭水化物と一緒にとると、よりアミノ酸バランスが良くなり、体づくりに有効です。
味にくせがあるのが欠点ですが、カリフォルニアゴールドのピープロテインはとてもおいしいですし、コスパも最高です。
溶けやすく泡も立たず、工夫すればビルダー飲みも可能です。
ついでに言えば、環境にも優しいです。
家畜や大豆は大量の水が必要になりますが、えんどう豆は水をさほど必要とせず、過酷な環境でも育つ特性があります。
未来のたんぱく源は「虫」なんて都市伝説がありますが、えんどう豆になるのではないかとちょっと思ってしまったりします。
ソイに打って変わって人気上昇中のピープロテイン。
味以外のデメリットはほとんどないため、おいしい味付けがしてあるカリフォルニアゴールドのピーをぜひお試しください!
プロテインの基本的な飲み方は次の記事で詳しく解説していますので、もう少し飲み方などを知っておきたい方は、次の記事をご参照ください。
プロテインは他にも色々な種類があります。
使い分けてみたい方、興味のある方はぜひこちらもご参照ください。