ボディビルは言わずと知れたメジャーなスポーツです。
ほとんどの方は小学校の道徳の時間に観に行ったことや、社会見学の時間にもお弁当片手にコンテスト会場に足を運んだ経験があると思います。
ない?
おかしいなあ・・・
そう言われてみると、心当たりがある‥!
ネットが発達した平成、もとい、令和の時代にもなっても
いまだにボディビル大会のチケットはコンビニやネットで販売されていない場合が多いし‥。
チケット買うには連盟に電子メールを送って現金書留を郵送・・しかも後になって売り切れの可能性すらあり‥
そもそもいつ大会が開催されているのかすら知る由もない・・
これはいったいどういうことだ!?
ボディビルワールドは昭和で時が止まっているというのか!?
これでは観に行きたくてうずうずしている多くの方にとって、大きな損失になると思います。
鉄は熱いうちに打て。
ボディビル大会は観たいときに観に行け。
そんなわけで、今回はボディビル大会を観に行ったことがない方のために、
ボディビル大会はこういう感じで流れていきますよ
これから大会出場を目指す方にも、当日はこんな感じでやっていきますよ
ということを紹介していきます。
一度は行ってみると、案外楽しいものですよ!
新しい世界をちょっとだけのぞいてみませんか?
客層も9割がマッチョ関係者だと思いきやそんなことはなく、意外や意外、家族連れや老若男女実に様々です。
それではさっそく、メジャー、ではなく、
ディープでマニアックなボディビル大会の詳細をここに解き明かさん。
なお、
ボディビルなどのコンテストを目指したい、
出場するためには何をやったらいいのだろう、
という方は、こちらの記事をご参照ください。
ボディビルって、どういう競技なの?
ボディビル大会は見た目で審査されます。
フィギュアスケートのように、明確な技術点などといったものはありません。
審査員が見た「見た目」です。
審査員の目利きこそが「神」なのです。
ボディビルの審査基準とは
でかいビルダーだとトレーニングで扱う重量がとんでもないことが多いですが、コンテストにおいては関係ありません。
普段のトレーニングで高重量を扱っていても、コンテスト当日には関係ありません。
ステージ上、パンツ一丁で
「ベンチプレス誰が一番挙げるか?」
「シシースクワットが艶かしいのはどの選手だ!?」
そんなことは一切審査しません。
あくまで「見た目」で審査しています。
まず資格を持った(資格があるんです!)審査員が
筋肉が十分に発達しているか
全体の筋肉のバランスはよいか
ちゃんと皮下脂肪が削ぎ落とされ、皮と筋肉だけになっているか(仕上がりがよいか)
このあたりを審査基準にしています。
それを「見た目」審査します。
しかし審査員も人間です。
そして好みもあるので(顔の好みじゃないよ)評価がばらつく事もしばしばです。
平均点数で一番優秀な選手が1位、という感じになっていきます。
ボディビルは「仕上がり」が大切!デカけりゃいいってものでもない
物凄い筋量を誇っていても、
脂肪が完全に削ぎ落とされていなければ評価が一気に低くなったり(仕上がりが悪い、と表現される)
またその逆(ガリガリ大会といわれる)もしかり、です。
厳しいトレーニング、緻密に計算された食事摂取法、休息・・・
これらを自分に合った方法で取り組み(これが難しい)、筋肉と皮だけを残し、いわゆる「バリバリ」の状態に持っていき、大会に臨みます。
体脂肪が残っている「仕上がっていない」状態
体脂肪が落ちて「仕上がっている」状態
ボディビルのスコアシート(ジャッジペーパー)で順位が決まる
ボディビルの大会には、審査員の審査の結果をまとめる「スコアシート」というものがあります。
大会の流れについては後述しますが、まず最初、予選審査の前に行う「ピックアップ審査(プレジャッジ)」において「予選を通過できる選手」を選ぶ作業になります。
また、大会によって「予選通過できるのは何人までね」と決まっています。
出場人数によりますが、十分な人数が出場している限り、たいていは10人から12人までが予選突破枠になっています。
極端に少なければ比較審査はしますけれども全員予選突破になります。
「予選通過のチェック」が同点になってしまい、予選突破人数があふれる結果になった場合は、その選手同士でもう一度比較審査を行います。
そして見事審査員票を集め、勝利を勝ち取った選手が予選突破と相成ります。
さて、決勝審査ですが、
「決勝進出者同士の比較」と
「フリーポーズ」による比較
で、順位付けを行います。
「あの人は3位」「あの人は1位」
などつけていき、順位を平均した数字が最終的な選手の順位となります(本当はもう少し複雑ですが省略)。
審査員の苦悩!?順位を外すと叩かれる?
さて、そんな「神の化身」審査員ですが、やっぱり正体は人間です。
そもそも見た目審査なので、その審査員が良いと感じても、他の審査員にとっては今一つに見えたりもします。
同じ選手が同じ日に開催される別の大会で戦う際、審査員が変わったために順位までもが大きく変わることだって、珍しくありません。
それほどまでにボディビル大会というものは審査があいまいなのかもしれません。
また、あまりにも他の審査員とかけ離れた審査をしてしまうと「叩かれる」現状があります。
そんな審査をしていれば、「見る目ないみたいだから次からは審査員として呼ばれない」こともあり、また逆に「ほぼ最終順位に近い完璧な審査をした」「予想的中(?)」の審査員は「神の目」としてたたえられます。
無名選手は損をする?ボディビル審査の裏話
さて、ここからは昔からちまたで言われていることで根拠はありませんが、せっかくなので紹介しておきます。
「○○選手はいつも凄いから〇位」と、その日のコンディションの良し悪しではなく「○○選手だからもう上位確定」と、色眼鏡と補正をかけて順位を決めておけば、だいたい順位を大きく外すことはない、という裏の話もあったりします。
これは国内の大会に限った話ではありません。
「ボディビルの上の大会で勝ちたかったらまずは実績を残して名前を売れ」「無名は損をする」なんて、よく耳にしたものです。
更に「同じジムの所属の会長さんが審査員だったら審査が甘くつけられる」とか、身内びいきもある、という噂もあったりします。
ボディビルの大会って、いくつあるの?
国内のボディビルの大会ですが、実はたくさん開催しています。
筋トレをしている人でしたら、YouTubeでもそんな様子を見かけたことがある人もいるかもしれません。
ボディビル大会を運営している団体は一つではありません。
団体は複数ありまして、皆別物です。
それぞれ特徴があって、みな個性的です。
そしてボディビルだけではなく、「フィジーク」「フィットネスビキニ」「夏の似合う漢」など、現在は実に様々です。
開催時期や開催内容、カテゴリー、選手層、審査基準、大会が掲げているコンセプト、結構違います。
それらの特徴を知ることで、
「僕はこっちの大会に出てみたいなあ」
「こっちの大会のほうが出場者も多くて面白そう!」
「私はここでトレーニングの成果を試してみたいわぁ」
などと、選択することができるようになりました。
そんな数多くある肉体美を競う大会の数々ですが、「見た目審査」であることはどこも一緒です。
あなたはどこに出る?JBBF?NPCJ?ベスボ?サマスタ?
さて、そんなボディビルの団体ですが、結構あります。
詳しくは別の記事で紹介しますが、ざっと紹介します。
ボディビル系
日本ボディビル連盟(JBBF)⇒国内で一番ボディビルの参加者が多い老舗。良くも悪くも昔のままで、地味。上位陣の仕上がりがヤバい!ドーピング検査あり。僕もここに所属していました。
日本ナチュラルボディビル連盟(NBBF)⇒同じく老舗。私見ですがあまり参加者がいない印象。ドーピング検査あり。
鐵人之國(東北・北海道ボディビル選手権)⇒東北フィジーク委員会主催。山形県鶴岡市で開催されるナチュラルオンリーのボディビル大会。各ポーズごとに順位付けがされるなど、独自の審査基準を持つ。一人一人の選手が主役になれる演出に注目!
フィジーク系
日本ボディビル連盟(JBBF)⇒フィジークのカテゴリーもできました。参加者も多いですよ。ドーピング検査あり。
Fitness World Japan(FWJ 旧NPCJ)⇒初心者からベテランまで大歓迎。演出もとても華やかで好まれる印象。フィジークだけではなく、様々な新しいカテゴリーが数多くあり、選択肢が多い。
ボディメイク系
ベストボディジャパン⇒通称ベスボ。初心者がとても多く、参加者も一番多い。美しく健康的であればマッチョじゃなくても大丈夫。
サマースタイルアワード⇒通称サマスタ。いろんな部門あり。優勝賞金あり。ベスボよりマッチョが多い印象だが「夏が似合う」がコンセプト。
スーパーボディコンテスト⇒新しい団体。マッチョすぎてもだめで、バランスと健康美を重視。芸能活動につながるチャンスあり。
ボディメイクグランプリ⇒ライザップ主催。コロナにより無期限延期なう。
というわけで、肉体を競う大会はいろいろありますが、それぞれの特徴などの詳細は、次の記事をご参照ください。
現在はボディビル一本ではありません。
マッチョじゃなくても、引き締まって健康的であれば大丈夫な大会も多くなりました。
選手として出場を考えているあなた!
きっとあなたに合ったボディコンテストに出会えることでしょう!
参照⇒工事中です
ボディビルの大会を観に行こう!大問題のチケット入手方法!
ボディビルの大会を観に行こうにも、チケットをどうしたらいいのか?
そもそも大会自体いつどこでやっているのか?
僕が大会に出ていた頃は、もちろんネットは普通にありましたがそんな問題にならないようなことが本当に問題でした。
しかし、さすがに現在ではそんな悩みはなくなりました。
以前は
ボディビルの大会チケットは
ネットで買えない
コンビニで買えない
チケットを買うならば大会事務局に電話または電子メールをして現金書留
大会事務局、ボディビル連盟加盟ジムで直接買う
テレビCMでやっているわけないし、駅とかにポスターが貼っているわけでもなければ新聞の折り込みチラシに紛れ込んでくる事もない。
そもそも大会事務局って、何なのか?
ボディビル連盟加盟ジムって、どこのこと?
スポクラでは売ってるのか?
一応団体のホームページはありますが、そもそもどんな大会があるのかわからない一般の人にとってはお目当ての大会を探しにくいと感じます。
結局は口コミで詳細を知ることになると思います。
・・と、チケット購入の情報になかなかたどり着けず、初めて観に行こうと考えていた人はそこで挫折すると思います。
とにかくとっても調べにくいです。
そして知らぬ間に開催され、知らぬ間に終わっているので誰の関心の的にもならない・・・(情報公開されても関心が出るとは限りませぬが)
新団体はネットですべて解決
しかし!
平成も終わり令和になった今、ようやく便利になってきました。
NBBF、JBBFに次いで新団体のボディコンテストが次々と参入してきました。
それら団体は普通にネットを通じてコンテストの開催時期の確認やチケットの購入ができます。
チケットの購入に手間取ることはないでしょう。
老舗は昭和からずっとザ・ワールド
JBBFやNBBFもネットで調べれば開催時期などはネット上に載ってはいましたが、とにかく情報にたどり着くまでが難儀です。
現金書留とか昭和でもあるまいし、加盟ジムに直接行って買うなど、会員でなければ敷居が高いし手間ですし、そもそもそれがどこなのか調べるのもまた手間です。
結局のところ知人のマッチョに人数分のチケットを買ってきてもらうか、当日券を買うしか手段はありません。
ボディビル大会のプログラム!一日の流れ!(JBBFの例)
時は夏。
ボディビル大会はだいたい夏が多いです。
さあ、今日はいよいよ待ちに待った「筋肉の祭典」ボディビル大会当日!!
夜はちゃんと眠れたかなっ!?
客席でカタボらないよう、プロテインバーは忍ばせたかなっ!?
押さえ切れない興奮、
煮えたぎるアドレナリン、
滴り落ちる生唾を必死にこらえつつ、いよいよ会場にレッツラ・ゴー。
ボディビル大会の会場はなんちゃらホールがほとんどです
ここが会場となる○○文化センターか…
さて、いざ行かん。
って、入り口周辺のマッチョ率の高さが異常!!
真っ黒に日焼けして、暑い中長袖を着込んでスポーツバッグを持った選手と思しき人の多いこと!
一緒にいる人はジム仲間かな?
開場となり、意外にホールにはお客さんが多い!
もっと空席があると思っていたが・・・。
そして客層を見ると意外や意外、一般の家族連れや老若男女、実に様々。
もっとマッチョだらけかと思えば案外そうでもなかったりする。
雰囲気も別に物々しくなく、ごく普通です。
あ、よく見るといかにも「ジムに通ってます」っていうマッチョがちらほらいる・・・。
しかもそでの切れた(自分で切った?)タンクトップ、なぜかヒカルゲンジが履いていたような昭和チックの短いジーンズ生地の短パン・・・
ナッサー・エル・サンバティのコスプレか?
さあ、もう少しで大会が始まる。
ゆっくり席に座って、入り口で渡された「大会プログラム」でも見て・・・・。
ふむフム、出場選手名簿があるな。
ナニナニ・・・名前、身長体重、年齢・・・。
ムム?
意外に体重軽いんだな・・・・。
そうです、身長体重が名簿に明記されていますが、体重が思っているより軽いのです。
これは余計な脂肪が一切ない状態だからです。
体重が軽いといって侮るなかれ、一般の65キロとマッチョの65キロではまるで別の生き物です。
「俺、痩せマッチョだぜー?」といっている人は、仮にコンテストコンディションまで絞れたとしたら、ガリガリになってしまうと思われます。
脂肪って、自分で思っている以上に体にくっついているものです。
そして、筋肉って意外についていないんだなあと最初はがっかりするものです。
プレジャッジ(ピックアップ審査)という名の「ふるいかけ」
「びーーーーーーーーーーーーーーーーー。」
・・・・会場にブザーが鳴る。
開始時刻より遅れてスタートがデフォルトです。
そしてアナウンス。
「ただいまより、○○県ボディビル大会、一般男子の部、プレジャッジ、比較審査を開催いたします。」
え?
プレジャッジってなーに?
「プレ」という言葉どおり、ジャッジの前、という意味です。
ジャッジの前って言われても・・・。
そんなことを考えているうち、なんだかBGMが流れ、幕が開く。
ひ、ひいぃぃイーーーーー!!!!???
裸のマッチョ(パンツ一枚)がうじゃうじゃいます。
一般男子に出場する選手全員集合です。
なんか異様な光景、今まさにボディビル大会スタート。
その年や県によっても違いますが、幕が開いたとたんいきなり始まるのが多いです。
あれ?
ところで開会式はないの?
選手宣誓は?
いきなり始まったんだけど、どういうことなの?
そうなんです、開会式はこの時点ではないのです。
理由は僕にもわかりません。
なんか、急にマッチョたちが登場したと思えば急に大会が始まった、そういう感じですね。
さて、ここで行われるのは「プレジャッジ」といい、「予選審査」である。
予選落ちと予選追加者をふるいにかける審査です。
大体出場者は全部で20数人。
もちろん少ない年もあったりします。
この中で決勝進出するのは基本的には10人まで。
12人の時もあります。
決勝進出とは、つまり10位以内に入賞することです。
「大会の最後まで参加でき、順位がつけられる」
この権利が与えられます。
決勝に残れなかった予選落ちの選手は、非情にもここで出番は全て終了です。
「予選落ち」でひとくくりになり、順位もつきません。
そんなわけで午前の「プレジャッジ」で、予選通過者を決めるということです。
さて、そんなプレジャッジの様子ですが、会場はシーンとしている。
静かに音楽が流れている。
この時点では「異様な応援合戦」はない。
「639641番、でかい!!!!」
「312番の方にちっちゃいジープ乗ってるねえぇーーー!!!」
いや、少しある‥
まずは選手の半分、舞台の前に出てくださいと指示が出る。
1から12番くらいまでの選手が前に出て、横一列に。
司会が「ターンライト(右向け右)。・・・ターンライト・・・・」と言い、選手はそれにしたがって、体の向きを変えていく。
体の向きを変えるごと、ぴたっと、静止。
それからみんな一緒に司会のコールに従って規定ポーズをとっていくことになり、比較されます。
審査員は、これで大体の「仕上がり」を確認して、「10位以内に入れるかも知れない選手」をピックアップしていきます。
お、誰かが審査員席の前を中腰でウロウロしていますよ、審査員がなにやらメモみたいなものを渡しています。
これが司会の元へこそこそと届けられる。
残りの選手も同様に行う。
そして、いったん皆一列に戻り、ちょっと奥の方に戻り、立つ。
さて、メモを受け取った司会が淡々とゼッケンナンバー(パンツにくっついている番号札)を読み上げていきます。
「○番、○番、○番。(選手の名前は言わない)」
実力が拮抗していると思しき三人が呼ばれ、ステージの前に出ます。
ここで悲しい現実がわかる。
この時点で番号を呼ばれた選手は「ああ、俺って、ギリギリ予選通過するかどうかのボーダーラインなんだな」ということを悟る。
ちなみに全然番号を呼ばれない人は「余裕で予選通過確実」か「全然駄目、予選落ち決定」である。
この辺でもう大体の順位の一部が分かってしまうのがちょっと悲しい。
ちなみに僕も何度もここで呼ばれ、「ギリギリか駄目か」と密かにがっかりしていた。
まあ、結局ギリギリどころかほとんどダメでしたけどね。
さて、会場も盛り上がってきて、時々「○番デカイ!」とか言ってる人が増えていきます。
そんな予選突破審査と言うべきプレジャッジは3人ずつ比較されます。
時間がない時(←いいのかこれで!?)は5人、ひどい時は7人という時もあります。
そしてあっという間に終わることさえあります。
で、「比較の方法」ですが、ボディビルには「規定7ポーズ」というものがありまして、これを司会の指示通りに順番にじっくりとポーズを決め、審査員がそのポーズを比較して、仕上がり具合をチェックする、という感じです。
ちなみにプレジャッジではラットスプレッドを省く場合が多いです。
さて、こんな感じで女子、マスターズまですべてのクラスの比較審査が終了しました。
結構長丁場です。
いったん選手は皆舞台袖に戻ります。
・・・ウロウロ・・・ぞろぞろ・・・ムキムキ・・・・
選手はドキドキ。楽屋での予選通過発表!!
「・・審査員の先生方、あとはございませんでしょうか・・。」
「大丈夫ですか、大丈夫ですか・・・・ぼそぼそ・・・」
「以上を持ちまして、プレジャッジ、比較審査を終了いたします。」
「ただいまより15分の休憩をいただきます。休憩をはさみまして、決勝進出者の発表にうつらせていただきます。」
幕ががーっと降りていきます。音楽も止まった。
開場が明るくなり、ざわつく客席。
さーて、推しメンは予選突破できるかな?
気になるあの子はコールされていなかったけど、大丈夫かな?
自分の予想、当たるかな?
そんな話題を口々に、お客さん方はトイレ、またプロテイン補給のために席を立つ。
そして選手たちは楽屋など控室に戻り、ひと時の休息を得るわけです。
心の中で
「予選通過は頂いた!」
「おれはどうなるんだろ・・予選落ちかな、どうかな・・ドキドキ・・」
いろいろな思いが交錯している時間帯でもあります。
10分ほどすると、先に控室の選手たちに審査結果が伝えられる。
用紙を持った役員さんが楽屋に入ってきたとき、さながら合格発表を待つ学生の気分に戻ることができます!
しんと静まり返る楽屋。
選手たち緊張の一瞬。
「それではお待ちかね、決勝進出者の発表をします。」
「・・ふふふ・・いいですか?・・ふふふ・・」
「ゼッケンナンバー、○○番、○○選手。○○番、○○選手・・○○番・・」
と、小さい番号から順に発表されていきます。
決勝進出者たちは喜びもつかの間、急いでステージ袖まで移動!
急いでパンプアップ開始!!
予選落ち確定の方はがっかり・・。
楽屋でうなだれる選手、客席に行って一緒に観戦を始める選手、さまざまです。
そして休憩時間終わり、ステージの幕が上がる。
「予選通過者の発表をします。」ここで会場がにわかに盛り上がる。
「○番・・・・ナニナニ選手・・・・。」
・・・ウオオオオオン!!!!!!
○○ー!!!頑張れよー!!!!
または
「〇番・・・ナニナニ選手!」
シーン・・・・
ばち・・ぱちぱち・・(寂しい)
呼ばれた選手は一人ずつ登場!
笑顔で手を振って出てくる選手や、
感激してガッツポーズで出てくる選手、
ムキッとなんかポーズして出てくる選手、
様々である。
10人の決勝進出者が決まった。
真の戦いはここからである!!!!
本当の闘いはここ!一番大切な予選審査で順位決め!!
これがプレジャッジの厳しい現実である。
僕も去年は喜んでステージに再登場して行く10人の後姿を、もう何度もポーカーフェイスで見送った・・・。
さて次がボディビル大会で選手にとって一番大切と言われる「予選審査」である。
プレジャッジで勝ち残った選手が参加できます。
予選通過者と言ったり決勝進出者と言ったり紛らわしいですが、ボ界ではどっちでもよいです。
次に行われる「予選審査」は、決勝進出者同士でポーズを比較し、「順位を決めていく大事な審査」です。
この審査にすべてのコンディションをぶち当てていくといっても過言ではなく、とっても大切な瞬間になります。
プレジャッジのふるいかけでは、「ボーダーライン」の選手がコールされて比較を受けるということを解説しましたが、今度は逆です。
「優勝に近い順」からコールされ、比較を受けていきます。
栄光の呼び出し「ファーストコール」!!
「〇番、〇番、〇番。」
司会が選手を3名呼び出します(5名の時もある)。
最初にコールされることを「ファーストコール」と呼び、おそらく今回の大会でのトップスリー候補であろう、と審査員に見られている証拠になります。
つまり、ここで最初にコールされることは選手にとって優勝への切符を手にしたようなしないような!?というわけです。
あとは、入れ替わりしながら10位だろう選手まで規定ポーズでひたすら比較審査です。
予選審査は「順位付け」とも呼ばれ、本日のメインイベントと言うべき審査です。
会場の恐ろしい応援合戦や奇妙奇天烈な掛け声も、ここぞとばかりに飛び交い、まさにカオスと化す。
もちろん、最初に呼ばれたからといって必ずしも優勝圏に入っているとは断定できませんが、だいたい決まったも同然です。
プレジャッジで出番がなかったすごい選手のポージングは迫力満点!
ベタですが会場も筋肉も大盛り上がりです。
お昼休みです。楽屋はまったりムードです。
「以上、予選審査、順位付けを終了いたします。」
パチパチパチ・・・・ここで午前の部終了。
幕が下りる。
この比較のされようで、自分のだいたいの順位が予想できることと、優勝は厳しいかな・・なんてこともわかります。
見ているお客さんも、同様です。
さあ、とっとと昼食を調達しなければ。
えー、慣れない人は、午前の比較審査はとても単調で「飽きる」「眠い」ことと思います。
しかし、ボディビルフリークに近づくほどに、午前の比較審査こそが醍醐味と感じるようになります。
午後は「ボディビルって言うと、音楽に合わせてムキムキする、あれでしょ」と、皆が想像しやすい「フリーポーズ」がありますので、慣れない方は午後必見ですよ!?
まあ、確かに僕も午前は単調すぎてだんだん飽きてくる・・・。
ステージに立っていても飽きてきていたし・・・。(おいおい)
一方楽屋は、選手一同まったりしています。
ピリピリした雰囲気もなく、驚くほどにのんびりムードです。
午前中のプレジャッジ、予選審査が全てであるということを物語っているかの如しです。
しかし、予選落ちした選手の心情は寂しいものです。
ゲストの選手と写真撮ったり、お昼喰ったり昼寝したり。
午後のフリーポーズの復習をしている人もいます。
ここでなぜか開会式
さて、昼飯も食ったことだ、午後の部を待つか。
「びーーーーーーーーーー。」ブザーです。
「開会式を始めます。」幕が開く。
今度は全ての出場選手が勢ぞろい!!
ここ数年はこのタイミングでの突然の開会式はなくなってきたようですが、なぜか昼休憩明けに開会式があります。
さっきさんざん選手が色々やったのに、このタイミングでなぜか開会式です。
選手一同はピルパン1枚、女性陣もステージコスチュームでの登場です。
一番最初に開会式をやることも増えてきましたが、ステージに登場する際は半裸ではなくジャージなど自分の服を着せてほしいものです。
ネタバレ防止にもなりますし、体が冷えるからです。
「式典」という厳かな場においてもビルダーにとっては「筋肉が正装」ということでしょうか!?
で、開会宣言やら、審査員紹介、偉い人の挨拶(偉い人のポージングはありません)、選手宣誓、が行われます。
最近はやらなくなった選手紹介
開会式が終わり、選手は皆舞台袖に移動。
ここで司会進行役が交代。
ここ宮城県大会では知る人ぞ知るカリスマボディーパフォーマー、元トップボディビルダー、「アジア1の上腕」バイセップスマン高橋さんが司会をハイテンションで送ってくださっていた。
「レディースエンド・ジェントルメン!!ウェルカムトゥー、ミスター宮城ボディビルディングチャンピオンシップ!!犬も歩けばマッチョにあたる。」
高橋さんは挨拶代わりにこう言ってました。
予選通過、敗退関係なく、1番から5人ずつ順番に名前を紹介される。
ステージに順に登場します。
5人舞台に上がったところで、ランダムに音楽がかかるので、それに合わせて1分程度アドリブでポージングを取り、会場を盛り上げなくてはいけない。
・・たまにとんでもない曲が流れ、会場の空気がおかしくなることがあるが・・・。
「ポーズとれねーよこんな曲じゃ!」
ちなみにここではあくまでショーの一環、点数には響きません。
悲しいかな、予選を落ちた方は出番はここまで(近年は選手紹介が無いので、予選落ちの場合は本当にプレジャッジだけで終わり)。
と言うか、「・・予選落ちしたんだからまたわざわざステージに上げてポーズとらせなくても‥」と思ってしまったのは僕だけでしょうか。
あとはお客さんにまじって観戦しているだけです。
僕も何回午後客席にいたことか。
「近くに来るとでかいけどステージに立つとちょっと・・・」といわれ何気にショックでした。
それか、バックステージの舞台袖から選手の様子をのぞいていました。
予選を通った時はこうやって遊ぶ余裕あり。
音楽に合わせてマッチョする「フリーポーズ」
さて、選手紹介の後の決勝審査は皆が想像にたやすい「音楽に合わせてマッチョをする」時間です。
規定では「男子は1分以内」「女子は1分半以内(今はとうに女子も1分以内になった。)」です。
音楽はカセットテープに(MDとか使っている所もあるけど)自分で好きな曲をあらかじめ入れておき、それを提出しておく。
ちなみに予選を落ちた方は、それを告げられた時点でさっさと「ハイ、ハイ、」とテープを返される。
フリーポーズはできません。
なんか虚しかったですよ。あれだけ練習したのにこうもあっさり返されると。
まあ、それが自分の実力なんですけどね。
フリーポーズは当然一人ずつ呼ばれる。
舞台中央でちょっと待つと、音楽が流れるので自分が練習したとおりにポーズを決めていく。
色々な音楽が選ばれております。
真面目なものからわざとウケを狙ったもの(昔は多かったですが、今じゃほとんどいません)まで。
そしてたまに音響担当の方がCDを間違えたり、いつまでたっても音楽が再生されずにざわついたりと、ステージ上の選手がリアクションに困ることは結構あったりします。
トップビルダーにポージングをしてもらう「ゲストポーズ」
ゲストがポーズをとってくれます。
ボディビル、フィットネス、エアロビ、誰が来るかはその年によって違いますが、トップクラスの選手が招かれることが常で、これがまたすごい見所になってます。
生でトップ選手を見れる機会はなかなかないですからね。
僕が大会に出ていた頃は、近藤賢治選手、合戸選手、矢野選手、木澤選手・・・
その年によって違いますが、毎回日本トップの選手がここ宮城にはきます。
会場はどよめいてましたよ。
すごかったッス。
もっと昔はプロボディビルダーをゲストに招くこともありましたが、「ナチュラルの大会にユーザーを呼ぶのはちょっとおかしい」という理由かどうかは知りませんが、今ではすっかり呼ばなくなりました。
これで最後だ!!興奮の坩堝「ポーズダウン」
フリーポーズが終わると、また10人出てきていっせいに規定ポーズで比較。
これはすぐ終わります。
実はこの時点で順位が決定しています。
つまり、この最後の規定ポーズの比較はお客さんの復習のためみたいなものです。
さて、興奮の坩堝、ポーズダウン。
司会の「それではまいりましょう!!!!ポーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーズダウーン!!!」
という号令とともに、ステージギリギリ前まで躍り出て、勝手に流れ出る音楽に合わせて好きにポーズを取りまくり、もうめちゃくちゃになってます。
会場のボルデージはMaxを越え、まさにオーバーヒート!?
まさに肉団子状態。
時間が経つにつれ、「第10位・・・・何々選手!!・・・・・・第9位・・・」と、ポーズダウン中に一人ずつ抜けていくことになってます。
要するに順位発表をショー的に行っている感じですね。
こうして最後に残った人が優勝者というわけです。残り3人になるとハラハラドキドキですよ!!
表彰式!!
ちなみに優勝したから金がもらえるとかはないです。
賞状とトロフィー、メダルと盾、プロテイン1袋がもらえます。
けど、それはそれでありがたいですが、それが目的ではありません。
この瞬間から次へ進みます。
ステップアップのきっかけとしては十分な栄光です。
そもそも金のためとかではなく、自分を高めるためトレーニングを積んでいるのですから。
・・まあもっとも賞金が出るというならもっと頑張れますけど!?
表彰式の最後に、お客さんが各々選手に花束を持っていったり、一緒に写真をとったり、ちょっとした自由時間が設けられている場合があります。
さあ、今年のボディビル大会は終わった。来年の優勝者は君だ!?
こんな感じで大会は流れていくんです。夕方に終わります。
お開き!おつかれさまでした!
という感じで、ボディビル大会の一切を終了しました。
順位予想、正答率はいかがでしたか?
推しメンの順位はいかがでしたか?
来年は自分も出場してみませんか?
ついでに言ってしまうと、おおむねボディビル大会は司会進行がグダグダです。
時間はどんどん押すし、順位を言い間違えるし、カミカミだし、外国人の方が二人出場していたりすると逆の名前を呼んでしまったり。
いつも慣れない方が持ち回りでやらされている感じなので(うまい人はうまいです)仕方ないのかもしれませんが、やっぱりプロの方を雇ったほうがいいのでは・・
選手の皆さんはこの1日のために、約半年の減量期間を経てコンテストコンディションを作り上げてきました。
そしてほかの大会に出る予定が無ければ、まるで何事もなかったようにまたしっかりと食べて、いつも以上の体づくりに励むわけです。
トレーニングはコンテストの有無にかかわらずライフワークなので、当たり前にこれからも黙々と自分のトレーニングを積んでいたぐだけです。
そしてその積み上げた先に待っているものは、成果です。
打ち上げの言う名のレセプションで減量解禁
大会後、大会主催で打ち上げが開催されることがあります。
結構なごちそうがふるまわれ、ともに頑張った選手の皆さんと一緒にテーブルを囲むことになります。
筋肉トークをしながら久しぶりの脂っこい食事、甘いものスイーツ。
減量期間中口にできなかったものに懐かしさを覚えながら、この時ばかりは食事を楽しみましょう!
もちろん、コロナ騒ぎでレセプションはおろか大会の開催自体中止が相次いでいますが、だいたいこんな感じです。
その後、選手たちだけで改めて打ち上げに行ったりと、長い夜は続きます。
大会が終わっても打ち上げもせず、いつもと変わらずストイックに今まで通りを継続している人も多いです。
人それぞれですね。
ボディビル大会はこんな感じですまとめ!
現在はボディビルだけではなく、細マッチョでも素敵な体型でも、活躍の場はたくさん用意されています。
団体も多く参入しておりますので、自分の目的に合ったところにチャレンジするのもトレーニングの張り合いが出て、楽しいのではないでしょうか。
気になる大会を見つけたら、まずは観戦を!
チケットを無事ゲットして、来年の目標を定めてみてはいかがでしょうか。
コンテストに出場してみたい!
しかし何をどう準備したらいいのかよくわからない方は、次の記事をご参照ください。
ウエイトトレーニングの方法の総まとめはこちらをご参照ください。
コンテストデビューはさて置いて、これからマッチョになりたい方は是非お役立てください。