「筋肉を大きくするためにはたくさん食べないとだめだ」
「消費カロリーよりも摂取カロリーが多くないと、筋肉は発達に時間がかかる。」
こんなことを聞いたことがある方もいると思います。
しかし実際のところ、カロリーが多いほどに筋肉の発達が加速されると言えばそんなことはなく、無駄に太ってしまったり、おなかを壊して逆効果だったり、あまり良いことがありません。
バルクアップとは、「筋肉を大きくする」ことです。
体に負担をかけ、無駄な体脂肪を抱えることではありません。
今回、バルクアップのためには
自分が消化吸収できる範囲でしっかり食べる
しっかり食べるべくは消化の良い炭水化物
たんぱく質の量は一定で
脂質は食べすぎなくてよい
これらが大切と考えます。
特に、「しっかりと消化されているかどうか」自分で振り返ることはとても大切です。
「でかくなりたいけどお腹がついてこない…」
そんな方は是非ご参照ください。
食べ物は消化吸収されて、身になる!
食べれば食べるほど筋肉が大きくなれば、ある意味誰も悩まなくなります。
答えはもう出たも同然なのですから。
気合と根性、そして強靭な内蔵があればみんな順調に筋肉を成長させることが可能です。
しかし実際はそんなことはありません。
食べ物というのは消化吸収されて初めて身になります。
お腹が張る、食欲がない、下痢、便秘を繰り返す、屁が臭い、日々食べすぎを自覚している場合、ほぼ消化が追い付いていないことは簡単に想像できると思います。
これではせっかくの栄養も身にならず、体に負担をかけるばかりです。
消化吸収が追い付くギリギリのところを責める!
摂取カロリーが消費カロリーを上回る。
でかくなるためにはしっかり食べる。
それはもちろんそうなのです。
しかし、消化吸収されないと意味がないことは先ほど書いた通りで、そこのギリギリ手前を狙うのが一番理想的と考えます。
時間がたつとしっかりお腹がすいてくるか
慢性的なお腹の膨満感はないか
だるくないか
便通は問題ないか
これらを意識して、日々の摂取量を決めていくのが良いでしょう。
消化吸収能力は個人差が大きく、ドカ食いしても問題ない人もいれば、適応しない人も多いです。
しっかり食べることは大切ですが、あくまで消化吸収ができる範囲で食べるのがベストです。
たんぱく質の量はある程度決めておく
筋肉の材料であるたんぱく質。
筋肉づくりをしている人は、しっかりと意識して摂取したいところです。
一般的には体重×2g前後のたんぱく質量が理想とされています。
なお、普通の生活を送るうえでも体は代謝されていくのでたんぱく質は必要になりますが、その場合は体重×1.0gです。
バランスのよい食事を一日三食とった場合、だいたい60gのたんぱく質をとることができます。だいたいです。
筋肉づくりをする場合、その倍の量のたんぱく質が必要、というわけです。
自分の体重や食事内容と照らし合わせ、だいたいで十分なので、一日に摂るたんぱく質の量をイメージしておくとよいでしょう。
たんぱく質を含む食材は主に肉や魚、大豆製品ですが、たくさん食べるのが難しい場合、プロテインパウダーを利用するのが現実的です。
たんぱく質を多く摂るほど筋肉が発達するわけではない
ドカ食いと同じ話ですが、たんぱく質が筋肉の材料になるからと言って、たくさん摂るほどよい、ということにはなりません。
体重×2gはあくまで目安で、ボディビルダーとしても平均的。
人によっては×3以上とる場合もありますが、明確な判断基準があるわけではありません。
お腹が張らないか
ガスが臭くないか
便通はどうか
トレーニングの成果は感じられるか
先ほど書いた「消化される範囲」の内容と同じで、たんぱく質のとりすぎでも消化不良を起こし、体にとってはいいことありません。
これも、消化できる範囲のギリギリを狙うのが良いですが、明確な数字を出すほど正確にとらなくても大丈夫です。
人間の体は機械ではありませんし、実際にどのくらいの量のたんぱく質がベストかなど、自分が納得できるかどうか以外、判断することは難しいです。
だいたいでオッケーです。
しっかり食べるならば消化の良い主食をおかわり
たんぱく質を多くとっても、消化が追い付かなければ意味がありません。
おなかの調子を見ながら、まずは体重×2g前後から始めてみるのが良いでしょう。
カロリーを多くとる手段としては、消化の良いものがおすすめです。
それでいて、たくさん摂っても無駄にならない大切なものを。
それは、炭水化物です。
筋肉中のグリコーゲンが十分に満たされることにより、筋肉の発達が亢進したというデーターもあります。
もちろん、ガソリンが豊富な状態になるため、いっそうハードなトレーニングが可能にもなります。
バルクアップをしたい時期は消化の良い主食を多くとることで、摂取カロリーをおなかに負担をかけることなく稼ぐことが可能です。
消化の良い主食とは?
消化の良い主食、それは食物繊維が少ない主食です。
白米、パン、うどん、もち、このあたりです。
逆に消化に負担がかかる主食は、食物繊維が豊富なものです。
玄米、オートミール、このあたりです。
食物繊維豊富な主食は健康面ではメリットが多く推奨されるものですが、あくまでバルクアップをしたい場合は消化に負担をかけることなくたくさん食べることができる、白米などが良いでしょう。
バルクアップ中でも健康管理は大切なので、食物繊維を全くとらないことはおすすめできませんが、そのあたりは個人でバランスを考えて食事を組み立てるのが良いでしょう。
脂質もハイカロリーであるが?
炭水化物、たんぱく質は1g当たり4キロカロリー。
脂質は1g当たり9キロカロリーです。
よって、脂質を多めにとればカロリーを稼げそうですが、脂質は消化に時間がかかり、摂りすぎると消化不良を起こします。
しかも、脂質は必要以上に摂ったからといってバルクアップに大きく貢献するかといえばカロリーを稼げる以外は明確ではなく、やはり筋肉中のグリコーゲンを満たすことができる炭水化物を多くとるのがバルクアップには効率的です。
ジャンクフードはどうなの?
基本的に高炭水化物高脂質なものが多いです。
もちろんカロリーも多いです。
そこを利用して体重が増えにくい場合、ジャンクフードもプラスして食べる人もいます。
しかし高脂質なために消化に時間がかかるうえ、何より加工されているため栄養面で心配が残ります。
絶対にダメとは言いませんが、自身の考えと、ストレス、心の健康、体調、様々な要因のバランスを考えて、自分の判断で食べるのが良いでしょう。
優先順位としては、クリーンなバランスのよい食事であり、ジャンクフードは趣味嗜好の部類というのが僕の考えです。
体脂肪を増やしすぎても筋肉の発達にはマイナス
バルクアップのためにせっせと食事をすると、どうしても筋肉と一緒に体脂肪も増えてきます。
これはある程度は仕方がありません。
しかし、そのままバルクアップを続けていくと、体脂肪がどんどん多くなってしまいます。
体脂肪が多くなると、テストステロンの分泌が減少し、筋肉の成長にデメリットが生まれてきます。
テストステロンは筋肉の発達に大きな役割を持つホルモンで、男性が女性よりも筋肉質である理由は、テストステロンの分泌量が違うのもひとつです。
よって、バルクアップに集中するあまり、体脂肪が増えすぎたまま放置していると、かえって遠回りになってしまうことになる可能性があります。
目安としては、腹筋の輪郭が消えないあたりまでのバルクアップを意識するのが良いでしょう。
しかし、このあたりは個人の考えによるところもあります。
自分に向いている方法でトライしてみましょう。
体脂肪が増えすぎたらプチダイエットでリセットを。
体脂肪が増えすぎた場合、数週間から一か月といった短いスパンで「プチダイエット」をするのがおすすめです。
体脂肪をある程度落とし、そこからまた少しずつバルクアップを再開していきます。
進みっぱなしより、3歩進んで1歩下がる方が筋肉の発達には有効であるとされています。
「コンテストに出場するために減量をし、バルクアップを再開するとでかくなる」なんてよく言いますが、こういった理由もありそうですし、コンテスト経験者のほとんどがその経験を口にしています。
バルクアップはドカ食い不要 まとめ
たくさん食べるのは必要ですが、あくまで消化吸収できる範囲での話です。
消化能力には個人差が多いので、自分のペースで行うのでベストだと思われます。
たんぱく質の量は体重×2g程度からスタートし、体調見ながら微調整。
バルクアップにおすすめなのは、消化吸収が良い炭水化物。
筋肉中のグリコーゲンを満タンにし、筋肉が発達しやすい環境を整えることができますし、トレーニングもハードに行えます。
米、パン、餅、うどん、このあたりがおすすめです。
もちろん、食物繊維は健康を維持するうえで大切なので、バランスも意識します。
脂質はハイカロリーですが、消化に時間がかかるうえ、たくさんとるならば米のほうがメリットが多いため、バルクアップのためにたくさんとるよりも、あくまでバランスよく摂るのが良いでしょう。
おなかの調子を見ながら、バランスよく、しっかりとたんぱく質をとって、ご飯のおかわりでバルクアップ!
体脂肪が増えすぎたら、数週間から1か月のプチダイエットをし、リセットしましょう。
太りすぎてもテストステロンの低下により、筋肉づくりが効率的ではなくなる可能性が出てきます。