ネットが発達し、ボディビル、肉体改造の情報も過多と言えるほどあふれている現代。
「最新の研究によると…」
「エビデンスによると…」
「今までの経験上…」
言っていることが皆バラバラ。
しかし、どれも納得がいく解説。
その一方、「おすすめ」とされていることが、他の人、他の研究に言わせれば「おすすめできない」と言っていたり。
現代は情報があまりにも多く、いったい何をやったらよいのか迷子になってしまう方も多いと思います。
結論から言いますと
どれも正解
肉体改造の答えは一つではない
答えは人によって違う
ボディビルで大切なのは、運動、食事、休養です。
同じ人間ですが、様々に条件によってやり方が合う合わないは存在すると考えます。
ではどうしたらいいのかというと、参考になる部分を自分なりに取り入れて、実際に自分であれこれ試し、評価し、「今の自分にとってベストであろう」やり方を確立していきます。
論文やトレーナーは「方向性」を示してくれますが、「ゴールまでのルートの選択」は自分で行います。
そこには「自立」が必要になります。
今回は、
「肉体改造の方法は人による」ところを掘り下げて解説していきたいと思います。
そして、
「ではどうしたらいいのか?」という部分も解説していきたいと思います。
肉体改造の方向性にお悩みの方は、ぜひお付き合いください。
僕が今回話している「肉体改造に答えはない」ということ自体、「考え方の一つ」にすぎません。
取り組み方は人それぞれ。
考え方も人それぞれ。
あくまでその一例ということで、お付き合いください。
おすすめのトレーニング方法がみんな違う理由
ウエイトトレーニングの選択種目、
セット数、
フォーム、
レップス、
トレーニング時間、
頻度、分割、可動域…
あげればキリがないほど、人によってやっていることはバラバラです。
特に思うように成果が出ていない場合、「マッチョになれる秘訣」がどこかにあるのではと、ついつい悩んでしまうこともあると思います。
冒頭でも触れたとおり、やり方がみんな違うのは当然のことです。
あくまで「今の自分にとってのベストであろう方法」で取り組んでいるにすぎません。
体質や体の癖、
生活背景、
骨格や腱の付き方。
みな同じ人間なので基本は大きく変わりませんが、それでもみんな違う方法で取り組んでいるのには理由があります。
ウエイトトレーニングは「手段」よりも「目的」が大切。
ウエイトトレーニングは「手段」よりも「目的」が大切です。
「欲しい部分に筋肉をつける」のが目的の場合、「手段」は一つではありません。
自分が得意と感じる手段、つまり得意な種目を見つけ、その精度を上げていくのがいいでしょう。
よって、人により選択する種目が変わってくるのです。
ビッグスリーを例にあげます。
「ビッグスリーは神」
「フリーウエイトこそ至高」
こんなことはボディビル界ではよく言われます。
僕もビッグスリーは大切だと思いますし、好きです。
しかし、万人に当てはまるわけではなく、「人による」ところが大きいです。
ベンチプレスがどうしても苦手な人。
スクワットでどうしても膝腰がやられてしまう人。
デッドリフトでけがをする人。
「僕の考えるビッグスリーはこの種目だよ」と、他の種目をすすめる場合など
フィーリングや考え方、骨格、柔軟性、体の癖。
様々な要因によって、ビッグスリーを選択するしないが変わってきます。
人間、向き不向きがあります。
パワーリフティングのトップの方に指導をしてもらえば、どんな人でも200キロのベンチプレスができるようになるとは限りません。
そこで、
代わりの種目を選択するもよし。
あきらめないでとことん練習を続けるもよし。
選択肢はいろいろありますが、どの道を選んでも「筋肉の発達」というゴールに近づくことは可能です。
ただし、その道がゴールにつながっているであろうとしても、「平坦な近道」なのか、「イバラであるうえ遠回り」なのかは、実際にやってみないと誰にもわかりません。
更に、他の道を歩んでいる最中、イバラであると確信していた道に、少しずつ「平坦な近道」が増設されることもあります。
臨機応変にルート選択をするのか、
そのまま選んだルートで突き進むのか。
実際に色々やってみて、評価して、軌道修正していくのです。
実験に次ぐ実験です。
それを選ぶのは誰でもない、自分自身です。
研究データーは鵜呑みにする?セット数、ボリューム、頻度、可動域について
最近は
「高頻度がおすすめ」
「週のセット数は○○セットがおすすめ」
「可動域は大きいほど筋肉の発達がよかった」
色々な研究結果が紹介されています。
これはもちろん、参考にするのはとても良いと思います。
「筋肉の成長」という目的地に効率よくたどり着く「手段の一つ」「方向性の一つ」として、大いに参考になると思います。
少なくとも、北に向かいたいのに南に向かうことはなくなると思いますし、実際にやってみて好感触だったこともあると思います。
新しい発見もあるでしょう。
興味があれば試してみるのはよいことだと思います。
しかし、
北に向かうにしても、一本道ではありません。
そのルートはさまざまです。
体質や生活背景、回復力、骨格、年齢や性別、体の使い方や癖、トレーニングの精度・・
同じ人間でも、個体差が大きいのです。
頻度を詰めれば回復が追い付かない。
一回のボリュームを落としたら、有効なレップスが得られていない感じがする。
おすすめのセット数を目指したら全然回復が追い付かない
可動域を大きくしたら効かせたくない部分に負荷が集中してしまう
どうもしっくりこない
その逆もあったりと、実際に取り組んでみることで見えてくることが色々あると思います。
そしてその感覚が正しいかどうかは誰にもわかりません。
どちらにせよ実際にやってみて自己評価し、自分の判断で軌道修正していくことになります。
すぐにコロコロ変えていくのも善し悪しですが、そこを決めるのも自分自身です。
あの人にとっては平たんな道でも、別の人にとってはいばらの道。
あの人にとっては近道でも、別の人にとっては遠回り。
みんな同じルートでベストの成果が出るとは考えにくいです。
「おすすめのデーターを鵜呑みにする」のではなく、いい部分を取り入れて、自分にとってのベストに仕立てていくのが良いと思います。
様々な研究データーは、よりベストな方法を得るための、選択肢の一つにすぎません。
研究の信頼度は高いのかもしれませんが、実際に合う合わないは自分で決めることになります。
最終的には三分割に落ち着くかもしれませんし、五分割のままかもしれませんし、頻度を詰めるのがよいのか、詰めないほうが調子がよいのか、人それぞれです。
フォームだって人それぞれです。
みんな同じフォームに落ち着くわけではありません。
いろいろ試し、今にたどり着いた、というわけです。
更にそれらは、同じ人でも「時期によって変わってくる」ことも大いにあります。
体調の良い日、体調の悪い日、減量中、増量中、様々です。
肉体改造は臨機応変も大切です。
できる限り、自分の体調に耳を傾けてみましょう。
ではどうしたらいいのかといいますと、
あまり神経質になりすぎず、「だいたいの傾向」だけ押さえておくのがよい
と思います。
「五分割でこれほどの成果が出ました!」というマッチョがいるのも、
「二分割最強」というマッチョがいるのも、
どちらも色々試した結果、自分はこうだった、という事実を話しているだけです。
「みんなマネすればマッチョ」
「それ一つだけが答え」
と言っているわけではないのです。
バルクアップ、減量の食事も皆バラバラ
体づくりには食事も大切です。
しかし、これも食べる内容が皆バラバラで、個人差がとても大きいです。
もちろん、食べ物の好みだって人それぞれです。
食事回数、たんぱく質の摂取量、たんぱく源、脂質はどうだ、ジャンクもたまには食べろ、リーンバルクこそおすすめ、食べる量そのもの・・
またしてもバラバラです。
もともと食の細い人もいますし、腸内環境だって皆同じではありません。
だいたいの方向性は似ていたとしても、やはり自分に合った食事を見つけていく意識は必要でしょう。
小食か、腹一杯か?
たくさん食べられる人もいれば、小食の人もいます。
一日5食がよい人もいれば、2食がよいマッチョもいるでしょう。
実際にやってみて、「おなかの調子が良い」「筋肉の成長が感じられる」量に落ち着くよう、体の声に耳を傾けましょう。
例えば、「朝食は食べたくない」と感じるのに、「筋肉のため」と無理やりたくさんがっつりと食べたりする必要はありません。
下痢をしていないか
便秘をしていないか
おなかがもたれないか
ガスがたまらないか
食欲が落ちていないか
気分は落ちていないか
だるくないか
慢性的な疲労感はないか
トレーニングの調子が良いか
自分に合った量はどうなのか、何を食べると体調が良い気がするのか。
自分なりに考え、実践し、評価していきます。
だいたいは奇をてらわず、食べ慣れた物、和食中心からスタートするのがおすすめです。
肉体改造に特別な食事は必要ありません。
無理にオートミールやささ身を食べる必要はありませんし、ボディビルを知らない人からすると、マッチョの食事は驚くほど普通の食事である場合がほとんどです。
目指すべくはバランスのよい、高たんぱくな食事です。
それでいて、消化できる範囲で、「脳ではなく腹で考えて」食べるのが良いでしょう。
たくさん食べるのもよいですが、「あくまで消化吸収できる範囲」での話です。
そこには個体差があります。
体づくりと健康は表裏一体だと思います。
たんぱく質の摂取量も結構違う?
あるマッチョは「たんぱく質は体重×3はとるとよい」
あるマッチョは「たんぱく質は人並みで十分」
色々な意見があります。
そして、どちらも立派なマッチョです。
どっちが正しいの?
それも、実際に様々なルートを通り、たどり着いた個人の「現段階の答えの一つ」にすぎません。
どっちも正しいです。
その人自身には合っているということです。
では、果たして自分はどうなのか。
実際に色々試し、自分にとってベストであろう食べ方を探していくのです。
可能性の高そうなもの、できそうなものからスタートして、少しずつ軌道修正していきましょう。
自分の体調は自分で感じるもの。
人に見てもらうものではありません。
減量の方法も人によってバラバラ
脂質制限でも、ケトーシスでも、ダイエットは可能です。
そのルートは違えど、ゴールは一緒です。
どちらが優れているかはその人によってルートが歩きやすいかどうかであって、比べられるものではありません。
そして、その方法も、人によって食べる内容はバラバラです。
「味付けはほとんどなし」といったストイックに徹底する人もいれば、
「余計なものを食べない竹で普通の食事」など、案外普段と変わらない人もいます。
答えは一つではない、自分に合った食事が必要であると、ここでも言えるでしょう。
試行錯誤をしながら、自分のベストを確立していくことになります。
最初から「バリバリ」に仕上がるのは容易ではありません。
自分はどんな方法で体脂肪が落ちていくのか。落ち切るのか。
数多くの実践と評価、つまりは経験が必要になります。
遺伝が第一?筋肉がつきやすい体質は存在するのか?
時としてネガティブな内容になってしまいがちなので、遺伝がどうこうというのを突き詰めるのも善し悪しですが、個人的には「体づくりの才能は存在する」と思います。
しかし、誰が素質があるのかないのかは、はっきりとはわかりません。
あくまで結果論です。
1000年に一人のスーパーサイヤ人
たしかに、「1000年に一人のスーパーサイヤ人」は存在すると思います。
やればやっただけ体が反応していく人。
トレーニング歴1、2年で普通の人の一生分以上の筋肉をつけてしまう人。
極めて少数派でしょうが、そんなタイプの人です。
もしかすると、スーパーサイヤ人だと思っていたら、こっそりドーピングをしていたというパターンもあるかもしれません。
しかし、そんなことは本人にしかわかりませんし、考えてもキリがありません。
しかし、
もともとの肉体がフェラーリなのか、軽自動車なのか。
運転手がシューマッハなのか、近所のおじいちゃんなのか(失礼)。
そんなことは誰にもわかりません。
軽自動車でもシューマッハが運転すれば物凄いパフォーマンスを発揮するでしょうし、その逆もまたしかりです。
筋力が伸びる人、伸びない人
また、
物凄く筋力が伸びていく人
見た目の割に筋力がそうでもない人
見た目以上に筋力がある人
色々います。
みんな300キロでデッドリフトできるようにはならないのが現実です。
しかし、ある人にとっては150キロのデッドリフトが、300キロに相当していることだってあるかもしれません。
もともとの筋力もあるでしょうが、体の使い方やくせ、腱の位置、体型、骨格、フォーム、あげる意識の仕方、
様々な要因で結構な差が出ることはあると思いますし、それが良い悪い、ということでもないでしょう。
ボディビルに限らず、各スポーツでも同様です。
みんな努力すればオリンピック選手並みの記録が出せるわけではありません。
体質や向き不向き、間違いなく存在します。
遺伝的に恵まれていないと感じてもあきらめる必要なし
例え肉体がもともと軽自動車であったとしても、運転技術を向上させれば、チューンアップは可能です。
「車体がフェラーリではない我々一般ピーポー」がマッチョになるために目指すところは「運転技術の向上」です。
トレーニング精度を上げること、自分に合った食事を摂ること、十分な休養をとること。
これらを極めていくことで、例え軽自動車であったとしても、許す限りのチューンアップが可能になります。
ベストを尽くすとはこういうことだと思います。
比較すべしは過去の自分!!
「比較すべしは過去の自分」です。
他人と比較してはキリがありません。
そして、相手がフェラーリなのか、軽自動車なのか、それもはっきりとはわかりません。
努力を重ね、おじいちゃんがシューマッハになったのか、それも誰にもわかりません。
他人と比較したところで筋肉が発達するわけでもありませんし、上を見すぎてもモチベーションが下がることだってあるでしょう。
「自分にとってのベストを尽くす」これに集中するのが良いと思います。
「長年頑張っても、体は軽自動車のマフラーをちょっと変えた程度だったし、運転手も近所のおじいちゃんのままだった。」
時として残酷な結果を生むかもしれない肉体改造ですが、やってみないとわかりません。
遺伝的に限界かもしれませんし、本当は運転技術をもっと上げられるのに「センスがなかった」「自分に合う方法を確立できていなかった」かもしれません。
しかし、そんなことは誰にもわかりませんし、すべては自己責任です。
自分のことに集中し、マイペースで己が肉体に向かい合っていきましょう。
諦めたらそこでゲームオーバーです。
焦らず「肉体との会話」を続け、トレーニングの精度、熟練度を上げていきましょう。
「コツ」をつかむと体は短期間で変わる
運転技術向上の例をお話ししたいと思います。
僕の例で恐れ入りますが、トレーニングのコツをつかむと、三か月くらいでパッと筋肉がつくことも結構あります。
昔は肩と上腕三頭が全く発達していなかったのですが、サイドレイズ、シーテッドダンベルフレンチプレスの精度が上がった時、短期間で大きく変わったのを覚えています。
ここから応用を効かせ、今に至ります。
トレーニング歴が20年近くなった現在も、ベンチプレスの精度が上がった最近、大胸筋がちょっと良くなったり、
アップライトロー、バーベルショルダープレスの精度が上がったためか肩がさらに良くなったりと、
自分にはまだまだ改善の余地、成長の余地があるものだと思わずにはいれません。
何が言いたいのかというと、トレーニング歴が長く、停滞していても、まだまだやれることはたくさんあり、眠っている部分はきっとあるはず、ということです。
目指せトレーニングマスター。
いつものトレーニングを、いつも新鮮に頑張りましょう。
ネバーギブアップです。
トレーニングには自立が必要 まとめ
肉体改造は「仮説」⇒「実践」⇒「評価」
これの繰り返しです。
ネット上にはたくさんの有益な情報があふれています。
情報が多すぎて困ることも多いと思いますが、よさそうだな、できそうだな、納得できるな、と感じたものを、自分の仮説と合わせて実践し、評価していくのがいいでしょう。
やってみないと体がどう反応するのかは誰もわかりません。
肉体改造は人によって答えが違います。
今の自分にとってのベストにたどり着くべく、試行錯誤を繰り返していくことになります。
これには「自立」が必要で、自分で考えて取り組んでいくことになります。
「受け身」だけではなく、「自分で考えて、試し、評価していく」これが肉体改造の秘訣になります。
ゴールにはなかなかたどり着かないのが難しくも楽しいところ。
しかし、ゴールに向かっている過程でも、しっかりと体は応えてくれます。
焦らず楽しく継続です。
今日も明日も、少しずつ、焦らず、肉体改造の道を歩んでいこうではありませんか。
その先に、「過去の自分を超えた自分」がいるはずです。